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売掛金の入金消込とは?業務の流れやよくある課題・解決方法

売掛金の入金消込とは?業務の流れやよくある課題・解決方法

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
会計処理の1つである入金消込には、大きな責任が伴います。入金消込でミスが発生すると、取引先との信頼関係や企業の業績に悪影響が出てしまうためです。これらのリスクを回避するためには、経理担当者が入金消込への理解を深め、適切な方法で業務を進める必要があります。

そこで本記事では、入金消込の基礎知識や作業の流れ、よくあるトラブルや解決方法を解説します。消込作業および入金管理の経験が少ない担当者の方は、ぜひご確認ください。

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この記事の目次

    入金消込の意味

    入金消込とは、計上された「売掛金」を入金後に会計帳簿上で消す作業のことです。

    まず売掛金とは、企業が商品やサービスを取引先に提供した際に、その代金を受け取っていない状態です。言い換えると、取引先に対する債権のことを指します。そして予定通りの入金があれば、帳簿の売掛金は消去されます。

    つまり、入金消込を行う理由は受注側が商品・サービスの対価がきちんと入金されたかを確認することであり、この作業が完了すれば債権は消滅するのです。入金消込を行うことで、回収に遅れはないか、入金金額と請求額に相違はないかといった現状把握ができます。

    なお、入金消込を適切に行えない場合は以下のような問題が発生します。

    • 債権が回収できていないことに気づかず、貸し倒れになる
    • 入金済の取引先に誤って督促をしてしまい、企業間の信頼関係が崩れる

    入金消込の正確性が企業の存続に直結するケースもあるので、経理業務の中でも重要度の高い作業だと言えるでしょう。一方で、経理担当者の負担が大きくヒューマンエラーが発生しがちなので、自社の状況に応じて適切な対策を講じることが大切です。

    入金消込の流れ

    次に、一般的な入金消込の業務フローを2ステップでご紹介します。なお、入金消込を理解するには、前提知識として「仕訳の基礎」を把握する必要があります。詳しくは以下の記事をご確認ください。

    経理業務における仕訳の基礎について

    Step1.取引先からの発注を受ける

    掛取引で自社の商品やサービスを提供する場合、売上が確定した段階で売上と売掛金を計上します。売掛金を1000円とすると、以下のような仕訳になります。

    借方 貸方
    売掛金 1000円 売上 1000円

    この時点では売掛金という資産が1000円増えているので借方に、そして売上は収益なので貸方に記載されます。

    Step2.取引先からの入金を受ける

    次に、取引先からの入金確認および消込を行います。請求書や通帳のデータを照合し、入金金額と売掛金が同額であることをチェックしてください。予定通りに入金されていれば、以下のように仕訳します。

    借方 貸方
    預金 1000円 売掛金 1000円

    現金預金(資産)は増えたので借方に、売掛金は減ったので貸方に記載してください。このように、取引先からの入金を確認した上で対応する金額を相殺する作業が入金消込です。

    取引先からの支払いが確認できない場合、自社が何らかの見落としをしている可能性があります。例えば、担当者の消込漏れによって督促を行ってしまうと信用問題になるので、社内で十分な検証が必要です。

    入金消込においてよくある課題

    入金消込の作業は確認・管理の面で煩雑になりやすく、さまざまなトラブルが発生します。ここでは、消込業務における代表的な課題を2つご紹介します。

    請求金額と入金金額が合わない

    取引先からの入金と請求した金額が合わないことがあります。このようなケースでは、差額の請求、あるいは返金が必要になるため、入金額と請求書の金額を突き合わせて原因を突き止めなければなりません。一般的な原因は以下の通りです。

    • 振込手数料が引かれている
    • 企業間で複数回の取引がある場合に、請求書を合算して入金される
    • 消費税の計算方法が間違っている
    • 振込名の相違がある

    根本的な対策としては、ヒューマンエラーを減らすための取り組みが必要となります。後述する業務の自動化(システム化)を除くと、時間をずらして複数人でダブルチェックを行うといった方法が有効です。

    一方で、人間が目視でチェックする以上、入金消込の正確性や作業効率には限界があります。ミスが発生すれば関係各所への報告や未払金の回収作業などが発生し、経理業務はより煩雑になるでしょう。

    二重請求が発生する

    二重請求とは、すでに入金を行った取引先に重ねて請求してしまうことです。謝罪や返金対応などが必要となり、最悪の場合は取引先との信用問題に発展します。二重請求は入金消込漏れが原因で発生しやすいため、消込業務の正確性を高めることが大切です。

    しかしながら、事業規模の大きさや取引件数によっては、消込業務の作業量は膨大になります。「どの得意先にどれだけの未回収残高があるか」といった情報管理が難しくなり、消込漏れにつながります。経験豊富な社員であれば対処できることもありますが、業務の属人化につながり、担当者だけに負担が集中するのも問題です。

    いずれにしても正確に売上を立てるためには、正確な入金管理が欠かせません。経理担当者のスキルにかかわらず、ミスや見落としが発生しづらい体制を整えることが重要です。

    面倒な「入金管理」を効率化するシステムとは

    入金消込の課題を解決する方法

    入金消込の課題解決には正確な入金管理が欠かせません。そして限られたリソースで業務の正確性を保つためには、ツールによって消込業務を自動化することが大切です。具体的な解決策としては、以下の2つの方法があります。

    ①エクセルの活用

    1つ目はエクセルを利用した自動化です。エクセルはすでに会社の業務で使用しているケースが多く、追加の導入コストがかからないというメリットがあります。データ入力は手作業で行わなければなりませんが、関数機能やマクロ機能、フィルター機能を活用することで、作業時間を短縮できます。例えば、SUM関数(選択した範囲に記載された数値を合計する関数)を使えば売掛金の残高などを簡単に算出できますし、特定のデータを抽出したいならVLOOKUP関数が便利です。

    一方で、エクセルで入金消込を行うと業務が属人化しやすいというデメリットがあります。エクセルは多くの方に馴染みのあるソフトですが、マクロ機能などを使いこなすためには専門知識が必要となるからです。加えてエクセルは複数人で同時編集ができない、データ量が増えると動作が遅くなる、などのデメリットもあるため、特に取引数が多い場合などでは対応が難しいケースもあります。

    ②システムの導入

    2つ目は入金消込をサポートするシステムを導入する方法です。一定の費用はかかるものの、入力作業にかかる時間と手間を削減できます。具体的なメリットとしては、リアルタイムでの入金確認、入力ミスの防止などが挙げられます。システムによっては銀行口座の情報を自動で取り込んで入金消込ができるものもあります。

    導入のポイントは、入金消込業務のどの工程を自動化すべきなのか事前に要件定義を行うことです。サービスやシステムによって対応領域は異なるので、自社の用途や事業規模を考慮しつつ比較検討しましょう。例えば、会計ソフトであれば銀行やカード明細の自動取得などが可能で、販売管理システムなら請求業務も含めて一連の業務をまとめて効率化することができます。

    入金消込のトラブル防止には業務のシステム化が効果的

    入金消込の正確性は取引先の信用に関わるので、迅速かつ正確に行うことが重要です。一方で、取引件数や消込作業が多くなればなるほど、ヒューマンエラーが発生する可能性は高まります。すべての業務を手作業で行うのはリスクが高いため、必要に応じてシステムを導入しましょう。

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    記事執筆者紹介

    • 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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