サブスクリプションビジネスの売上管理の基本
計上・請求書発行のポイントとは

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
サブスクリプションビジネスにおいて、売上管理は骨の折れる作業です。中でもとくに複雑だとされる売上計上や請求書の発行を効率化させるには、いくつかポイントがあります。今回はその内容についてご紹介していきます。
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この記事の目次
サブスクリプションビジネスとは?
サブスクリプションビジネスとは、ユーザーが月額や年額など定められた期間の利用料金を支払うことで、サービス・製品の提供を受けるビジネス形態です。
近年では料金を支払うことで利用し放題となる「動画配信サービス」や「音楽配信サービス」が、サブスクリプションビジネスのモデルとして挙げられます。
サブスクリプションビジネスは近年のビジネスモデルのように感じますが、これまで存在していた新聞の定期購読や電車の定期券も、サブスクリプション形態のビジネスのひとつだといえます。
サブスクリプションビジネスの売上計上の考え方
サブスクリプションビジネスにおける料金形態は、月額払いか年額払いが比較的多いです。
月額払いであれば売上計上は毎月発生します。年額払いを設定した場合、最初の利用月に1年分の支払を行います。そしてその金額を12ヶ月で均等割し、月次処理を行うのが一般的となっています。
「年額利用を選択した場合、月額よりお得な割引がある」といったサービスを提供する企業もあり、この場合は、売上計上のやり方に少し変化が生じます。
通常利用料金が月額500円であれば年間6,000円計算になるはずですが、年額制度を選択すれば年額5,000円ですむ場合を、例にあげてみましょう。
5,000を12で割ると416.66……となり、割り切ることができません。この場合、登録月のみ600円で計上し、残りの11ヶ月を400円で計算するといったやり方が一般的です。しかし契約継続時期である1年後にまとめて計上をしても問題ありません。さらにサービスの特性上、「最初の数ヶ月で1年分のサービスを提供した」という場合、1年たっていなくてもサービス提供が完了した時点で売上計上をしても良いのです。
このことからサブスクリプションビジネスにおいての売上計上は、計上時期をサービスの内容や会社の売上計上の規則に沿って個別に見極める必要があり、従来の売上計上とは大きな差があります。
サブスクリプションビジネスの売上管理の課題
サブスクリプションビジネスの売上管理は従来のプロダクト販売に比べ複雑になるため、運営者の多くが頭をかかえる問題です。なぜサブスクリプションビジネスの売上管理が複雑で難しいとされているのか、具体的な理由についてご紹介していきます。
複雑な課金体系
サブスクリプションビジネスは、サービスや顧客の利用状況によって課金体系が変化します。月額料金プランといっても一律ではなく、顧客が利用するサービスにより金額に差があるものです。
さらに特定のサービスには月額料金外の金額がかかる、といったものもあり、内容を充実させようとオプションを用意すればするほど課金体系が複雑になっていく点は、サブスクリプションビジネスの売上を管理することにおいて落とし穴となるでしょう。
請求書の発行作業が多い
全顧客が月額払いを選択し、プランに含まれるサービスだけを利用しているのであれば、毎月定型の請求書を送付すれば良いだけですので手間は少なくなるでしょう。
しかし実際は、月額料金外のオプションを利用する顧客もいます。この場合、その都度月額料金にプラスした請求書を準備する必要があります。これらを手作業でやるには、膨大な労力と時間が必要になります。
契約変更の確認に手間がかかる
「今月は忙しいからあまり利用できない」「今月は休みが多いからたくさん利用できそう」といった理由で、利用プランを月ごとに変更する顧客も少なくありません。
さらに、ある日突然プラン変更をする顧客もいるでしょう。間違った内容の請求書を送付することは、ビジネスにおいて非常に失礼にあたる行為です。
サブスクリプションサービスはとくに顧客との信頼関係が大切です。そのため、契約内容の確認は請求の都度必ず行わなくてはなりません。
サブスクリプションビジネスの売上計上業務のポイント
売上管理が複雑で手間もかかるサブスクリプションビジネスですが、売上計上の手間を少なくするためにはいくつかのポイントがあります。
会計ルールの明確化
年額払いの場合は1年分で均等割をして月次計上を行うのか、それとも1年後のサービス提供完了時に計上を行うのかを明確にしておきましょう。加えて請求書の発行タイミングやフォーマット、変更内容の共有場所など細かい会計ルールをあらかじめ明確にしておくことで、ミスを削減できます。不明点の確認や無駄な工程も削減でき、売上計上業務の効率化が実現します。
請求管理クラウドサービスの活用
請求管理クラウドサービスの活用も、サブスクリプションビジネスにおける売上計上業務では検討した方が良いでしょう。請求管理クラウドサービスはExcelとは違い、同時編集や変更履歴の閲覧などが容易にできます。
クラウド上での使用となり、ソフトを用意する必要もなく、データ量が多少増えることで発生する動作遅延なども少ないため、会計業務をスムーズに行うのに役立つシステムであり、多くのサブスクリプションサービスを提供する企業が導入を実施しています。
請求管理クラウドサービスの選び方
サブスクリプションビジネスの売上計上をサポートする請求管理クラウドサービスですが、自社に合わない製品を選ぶと思うような効果が得られません。
請求管理クラウドサービスの選び方のポイントをおさえておきましょう。
多機能性
請求管理クラウドサービスは「できることが多い製品」を探しましょう。企業によっては、特殊な方法での請求処理が必要になる場合もあります。機能が少ないと導入をしても処理が実行できず、結局肝心な部分は手作業になる可能性も考えられます。さまざまな支払方法に対応可能な製品かどうか、他サービスと比較検討をしましょう。
信頼度や実績
導入実績が多いということはそれだけ多くの企業が同システムに信頼を寄せ、満足をしているということです。
さらに導入数が多ければ、ユーザーの要望も豊富に取り入れているとも考えられます。改善を繰り返してより洗練されていく可能性も高いため、導入の際は同業他社が導入した事例を確認すると良いでしょう。
サポート体制
自社に優秀なエンジニアやIT関連に詳しい従業員がいれば良いですが、そうでなければサポートの充実性にも着目したいところです。いざという時に専門のスタッフがどう対応してくれるのかを、事前に確認しましょう。サポートがあるうえに充分に活用できそうであれば、導入を検討してください。
まとめ
今回はサブスクリプションビジネスの売上計上での考え方や複雑な理由、業務を行う際のポイントをご紹介しました。
サブスクリプションビジネスにおける売上計上は、専門のクラウドサービスの活用がおすすめです。手間を少なくしてこれまで経理業務にかけていたリソースをサービス充実へと割き、さらなる利益向上を目指しましょう。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
- 「楽楽販売」のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!