業務の棚卸しから始める業務改善。
そのポイントを解説!
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
社内で毎日当たり前に繰り返されているさまざまな業務ですが、その必要性を考えたことはないという方も多いでしょう。改めて見直しを行ってみると、実は不要である場合も多く、また、ワークフローの見直しによって、大幅に効率化できるという場合も意外と多いのです。そこで、重要となるのが定期的な社内業務の見直しです。業務改善において、この業務の棚卸しの重要性は高まりつつあります。今回はそのポイントを解説していきます。
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この記事の目次
どうして定期的な業務見直しが必要なの?
一度企業システムを作ってしまえば、あとはずっとそのまま企業運営ができるというイメージを抱いている方も多いかもしれません。確かに、かつては一度システムやルールを作ってしまえば、それに乗っ取って長期的に運営を続ける企業も少なくありませんでした。ですが、IT技術の進歩などで、ビジネスの形が日ごとに変化しています。そのため、世界のスピード感に合わせて、業務内容も見直し続けなければならないのです。
次に業務の見直しを行うことでのメリットを整理していきましょう。
働き方改革推進のため
近年、あらゆる業界で進められている働き方改革ですが、そんな中で、従来とは働き方の変更を迫られた組織も少なくないでしょう。業務の棚卸しは、働き方改革を推進する上でも不可欠です。
ビジネスの世界にもITが導入され、必要ではなくなった業務も少なくありません。例えば、これまで紙の書類で整理されていた資料の管理などは、ほぼシステム内で行えるようになったので、手作業による分別などは必要なくなりました。ですが「昔からやっているから」という理由だけで、ほとんど使われることがないにも関わらず、依然として紙の書類による資料整理が続けられているといった場合もあるようです。
長期間にわたって、見直していない業務の中には、もはや目的や意味を失い、形だけとなってしまったものも決して少なくないでしょう。これこそが、無駄な業務であり、効率化を阻害している要因の一つです。
こういった、非効率な運営によって、無駄な仕事が発生し、その結果として労働時間などに反映され、働き方が限定的になっている可能性も考えられます。
棚卸しを定期的に行えば、こういった無駄の排除につながり、運営を効率化できます。結果として、働き方改革の推進や、組織全体での利益率アップにも繋がるのです。
企業の現状把握のため
健全な企業運営のためには常に現状把握を続けることが大切です。定期的な棚卸しによって、状況を確認することで、組織の現状把握が可能となります。
現状を把握できれば、企業としての今後の方針や、目標も立てやすくなります。それが、結果的に企業のさらなる成長へとつながるのです。
また、リスクへの備えとしても効果を発揮します。規模の大きな企業になると、無意識に業務上、コンプライアンスに抵触してしまっている、という場合も発生します。ソフトウェアのライセンス違反などがその代表です。十分な管理ができているつもりでも、近年ますますライセンスの多様化が進む中で、定期的に状況を確認することによって、違反のリスクを軽減できるでしょう。
もちろん、セキュリティ関係のシステムも定期的に見直すこととなるため、ウィルス汚染といったリスク軽減にも有効です。
法令などによって、業務内容の変更が必要となる場合もあります。そんな時でも、業務の内容やワークフローを把握できていれば、スムーズな対応が可能となります。
このように、企業の現状把握にはとても多くのメリットがあります。
DX推進のため
昨今たびたび話題にあがるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の観点からも、業務の棚卸しが注視されています。
DXとは「デジタル活用によりビジネスモデルを変革し、競争優位性を得ること」です。
企業にとってのDX推進は単なるITツールの導入と混同されがちですが、形骸的な業務の廃止やルーチンワークの自動化などによる生産性の向上にとどまらず、そこで余ったリソースを新規開発などに注力し革新的な価値提供を図ることがDXの本来の意義です。
IT導入による業務の棚卸しは、従業員の働き方改革のみならず、変化の激しい時代において取引先や顧客から選ばれ続けるための競争力を磨くきっかけになると考えることができます。
属人化を防ぐため
定期的な業務の棚卸しは、属人化を防ぐメリットもあります。
人件費削減や人材不足のために、業務をワンオペレーションにせざるを得ない現場もあるでしょう。
特定の担当者だけしか業務内容を把握していない属人化した業務体制は、いつ実行できなくなるかわからないリスクを伴います。業務負荷のかかりすぎによってミスが頻発したり、ミスの発見が遅れたり、疲弊して離職につながったりというケースも想定されるでしょう。
そこで、業務の棚卸しによって作業内容や手順を見直し、最適化した上でマニュアルを作成しておくことで属人化解消につなげることができます。マニュアルがあれば担当者が不在の場合でも他の従業員が代行できるため、想定外の事態に備えとしても有効です。
また、一人ひとりの業務量に偏りが見られる場合には、個々が抱える全ての業務を棚卸しして、能力や役割に合わせて適材適所に再配分・再配置することも有効です。全体として生産性向上につながり、属人化の解消が期待できるでしょう。
業務棚卸しをうまく活用するためのポイントとは?
近年では、業務の棚卸しという言葉を耳にする機会も増えました。ですが、具体的に何をしたらいいかわからないという方も多いのではないのでしょうか。
そこで、ここからは棚卸しをうまく活用するために確認しておきたいポイントを解説していきます。
行っている業務を書き出し、整理する
さまざまな方法の中でも、もっともシンプルな方法は組織で行っている業務を書き出し、整理していく方法です。業務を分類して、簡単な体系表を作れば、それぞれの関連性も把握しやすいでしょう。
最初のステップですが、とても重要なポイントです。ここで抜けがあれば、その業務の現状は把握できません。また、整理が不十分だと相互関係が不明瞭で、棚卸しそのものの効率が落ちてしまうため、時間はかかりますが、丁寧に、正確に書き出していきましょう。
複数人でチェックして業務一覧の完成度を上げる
業務を整理する際は、チーム単位で互いの業務を確認し合うことも大切です。例えば、「同じ業務にそれぞれ異なる名前を付けていないか」「名前も付かないような曖昧な業務に手間がかかっていないか」「業務範囲が食い違っていないか」などを指摘し合います。業務に関わる複数人で集まって一人ひとりの認識のズレを埋めていき、完成度の高い業務一覧にしていくことが必要です。
改善可能な点の洗い出し
社内の現状について整理できれば、それぞれのワークフローや実態を確認していき、そこから問題点やこれから改善が可能な箇所を洗い出す作業に入ります。
例えば、重要度が低い業務であるにも関わらず、多くの人員が配置されていたり、必要以上に時間を要していたり、といった場合です。これらの場合には何らかの改善策を講じるべきでしょう。また、外注化や、ツールの導入などで、業務自体を削減できるケースもあります。
このようなポイントを洗い出し、検討・改善へと進みます。流れとしてはシンプルですが、これを定期的、継続的に行うことが、業務を改善していくうえで重要となります。
業務改善計画書を構築し、実行する
業務の検討・改善を継続的に行うために、業務の棚卸しに関する内容をまとめ、業務改善計画書を作成します。業務改善計画書と実際の業務を照らし合わせながら「意味のある施策になっているか」「さらに見直しはできないか」と常により良い業務のあり方を探っていきましょう。
関連記事はこちらルーチンワーク見直しで業務効率化!改善ポイントやおすすめの方法をご紹介
システムを導入して大幅な業務改善を図る
業務改善は、現状の仕組みの中で工夫するだけでは限界があります。一人ひとりの改善に対するモチベーションを引き出すためにも、システムを導入するという選択肢があります。では、どのような業務改善が期待できるのでしょうか。
自動化で人的ミスを軽減
システムの導入で一番に期待できるのは、ルーチンワークの自動化です。帳票作成や固定額の請求書発行など、定期的に行う作業を自動化することで手間が省けるだけでなく、記入間違いや手続きモレなどのケアレスミスを防げます。ミスの修正といった無駄な作業が減ることで、より生産性の高い業務に集中することができます。
リアルタイムの情報共有で機会損失を軽減
クラウド型システムを導入すれば、複数の部署や拠点間でもリアルタイムに情報を共有できるようになります。例えば在庫管理機能の場合、店舗で品切れしている商品をお客様に求められた時に、他の店舗の在庫状況をその場で確認して取り寄せを約束することができます。
販売管理システムの「楽楽販売」ならインターネットを介してクラウドにアクセスするので、リモートワーク中の社員もシステムを使用することができ、大幅な業務改善が期待できます。
関連記事はこちら非効率なやり方は問題だらけ!業務を効率化するためのアイデア事例|「楽楽販売」
まとめ
近年、耳にする機会が多くなった業務の棚卸しですが、組織全体での現状を把握し、運営を円滑なものとする上でとても重要なプロセスです。
そのメリットを理解した上で、正しくステップを踏みながら業務の棚卸しを進めていきましょう。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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