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定量発注方式とは?定期発注方式との使い分けを解説

定量発注方式とは?定期発注方式との使い分けを解説

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
定量発注方式とは、定期発注方式と対極にある発注方法です。発注のタイミングの見極めや需要の変化についての的確な把握が必要になり、製品の中には活用に適していないものもあります。自社のどの製品に定量発注方式を用いるべきかを判断するためには、メリットやデメリットを知り検討する必要があります。今回は、定量発注方式とは何か、またメリット・デメリットについてご紹介しますので、導入の際の参考にしてみてください。

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この記事の目次

    定量発注方式とは

    定量発注方式とは、商品在庫が一定の在庫量を下回った場合に、「事前に決めておいた一定量の発注」を行う発注方法を指します。発注が必要となる基準となる量を「発注点」として予め定めておき、発注点を下回ったら事前に決めておいた「発注量」に基づき発注をします。

    発注方式は主に6種類ありますが、定量発注方式は、定期的発注方式と並んでポピュラーな発注方式であり、発注の現場において頻繁に活用されます。

    定期発注方式との違い

    定量発注方式とよく似た定期発注方式も、頻繁に用いられる発注方式のひとつです。混同しやすい2つですが、両者の間には明確な差があります。

    例えば、定量発注方式では「在庫量を目安に発注が発生する」のに対し、定期発注方式では1週間に1度、もしくは1か月に1度など、「時期が発注の目安」となります。

    定量発注方式では発注量が一定ですが、定期発注方式は在庫や需要によって発注量を変えることが可能です。

    このように定量発注方式と定期発注方式は、ほとんど真逆ともいえる性質を持っており、それぞれ適した商品も異なります。定量発注方式は前述した常備品・安価な小物類をはじめとする売り上げ率が比較的低い製品に向いていますが、定期発注方式は単価も高く売り上げ率も良い、自社のなかで主力となる製品に用いられることが多いです。

    発注方式の使い分けはなぜ必要?

    定期発注方式と定量発注方式はそれぞれ特徴の違う発注方式ですが、優劣があるわけではありません。では、なぜ使い分けが必要なのか、理由を比較しながら具体的に見ていきましょう。

    無駄な在庫を持たないようにするため

    発注方式の使い分けが必要な最も大きな理由は、無駄な在庫を最小限に抑えるためです。 在庫が余分に余ってしまうと、商品が劣化したり時代遅れになったりして商品の価値が下がるリスクが伴います。価値が下がり売れなくなった商品は、価格を下げて売り捌くか、お金を出して廃棄しなければなりません。加えて、在庫の保管にもスペースや管理費が必要になります。そして、在庫品は「棚卸資産」です。資産を現金化できなければ、企業の資金繰りにも悪影響があります。

    このように、無駄な在庫は企業にとってマイナス要素です。適切な発注方式を使い分けて在庫量の最適化をはかることは、重要な経営戦略といえます。

    商材ごとに向いている発注方式が違うため

    同じ企業が扱うものであっても、商材ごとに単価や需要の大きさ、消費期限などが異なります。商材の特徴にあった発注方式を見極められると、在庫管理の最適化につながります。

    一定量を不定期に入手する定量発注方式では、比較的単価が安く需要が安定しているもので、一度に入手できる量が多く経年劣化しにくいものが向いています。その反対に、単価が高く消費期限が短いものや、需要が変化しそうなものなどは、定期的に量を調整しながら入手する定期発注方式が向いています。

    そのほかに、適切な発注方式を決めるために「ABC分析」という在庫管理手法を用いるケースもあります。まず、事業全体の売り上げのうち、売り上げの約7割を占める商品を「A」、1割〜3割の商品を「B」、その他の商品を「C」と分類します。欠品が出ると売り上げへの影響が大きいAの商品は、発注量を調整できる定期発注方式を採用します。そして、重要度の低いB及びCの商品は、発注に手間のかからない定量発注方式を採用します。
    商品の在庫量の最適化と管理の効率化を兼ね備えたABC方式を取り入れると、発注方式の使い分けが判断しやすくなります。

    定量発注方式のメリットとデメリット

    定量発注方式には、メリットとデメリットがあります。それぞれを把握し、どの自社製品に定量発注方式が適しているのかを判断しましょう。

    定量発注方式のメリット

    定量発注方式の大きなメリットのひとつとして、発注の手間を最小限に抑えて効率化ができる点にあります。

    製品の売上高を分類する方法として、ABC分析があります。

    ABC分析とは、製品を売上高に応じてA~Cのグループに分けて分析する方法です。まずは以下のような分類でグループ分けを行ってみてください。

    Aグループ:売上高の多い自社の主力製品群
    Bグループ:重要度はAグループほど高くはないが、ある程度の売り上げがある製品群
    Cグループ:A・Bよりもさらに重要度が低い製品群

    主力製品のAグループは売り上げの主力となる製品であるため発注量や発注期間に関して細かい管理が必要ですが、Bグループ以下にはあまり多くの手間をかけず、効率化をはかるのが得策です。

    発注点で一定量の注文をかける定量発注方式はBグループ以下に適しており、一度発注時期と発注量さえ見極めてしまえば、そのあとは特別な処理は必要なくなります。

    発注時期、発注量の自動化によって事務処理の効率化が実現できる発注方式です。

    定量発注方式のデメリット

    一方で、メリットでもあった「毎回同じ量だけ発注をする」という事務処理の簡略化が、弱点になる場合もあります。

    定量発注方式では発注量が毎回同じであるため、需要が変化した場合に対応が難しいです。季節の移り変わりや時事問題によって需要が急激に上がれば在庫切れが発生し、逆に需要が減ってしまえば過剰在庫となってしまいます。

    「発注に手間がかからないメリット」と「需要変化に対応できないデメリット」の2つを掛け合わせると、定量発注方式は「重要度が中間~それ以下であるBグループ以下」に活用するのが得策といえます。

    定量発注方式の計算

    定量発注方式の存在を知っていたとしても、正しい計算方法を知らないと適切な活用ができません。

    定量発注方式を知るためにはまず「発注点」「安全在庫」「経済的発注量」をそれぞれ算出し、それらの数値をもとに計算する必要があります。

    それぞれを把握したうえで、定量発注方式によって適切な発注量を算出しましょう。

    発注点の計算方法

    発注点の計算方法は、
    「発注点=納入リードタイム×1日あたりの使用量(販売量)+安全在庫量」
    で求められます。

    発注点として出た数値に在庫数が至ったら、発注をかけるようにします。

    安全在庫の計算方法

    安全在庫の計算方法は、
    「安全在庫数=安全係数×需要数の標準偏差×√(納入リードタイム+発注間隔)」
    で求められます。

    安全係数とは、どれだけの「欠品率」を許容できるかに応じて変化します。欠品率とは製品が100回注文されたとして、そのうち何回欠品が生じるのかを表す数値です。

    例えば、100回中に1回(1%)の欠品が許容できるのであれば安全係数は2.33となり、5回(5%)まで許容できるのであれば安全係数は1.65となります。

    需要数の標準偏差は、蓄積された過去の製品に関する需要数、出荷数のデータをもとに算出を行う必要があるため、人力で計算をするのは難しいです。エクセルのSTDEV関数を用いて算出をしましょう。

    参考:在庫管理110番

    経済的発注量

    この経済的発注量とは、一定期間の発注費用と在庫費用の合計を最小化した発注量のことです。定量発注方式においては、「発注点に至った際に発注すべき数量」でもあります。

    「経済発注量=√{(2×1回あたりの発注費用×年間需要量)÷(在庫品の単価×在庫費用率)}」で算出可能です。

    在庫費用率とは、在庫費用に占める保管費用の割合を指すものです。

    効率化するならクラウド型の販売管理システムを

    定量発注方式を採用するには、在庫量の把握が重要です。在庫管理と発注業務をさらに効率化するために、クラウド型の販売管理システムの導入をおすすめします。

    クラウド型とは

    インターネット上のサーバーを利用してシステムを構築して利用するタイプを「クラウド型」と呼びます。かつてはオフィスや倉庫などの拠点に物理的なサーバーを設置する「オンプレミス型」が主流でしたが、IT技術が進化した現在ではクラウド型の普及が進んでいます。
    オンプレミス型はひとつの拠点内でネットワークを完結させるのに対し、クラウド型はインターネット環境が整っていれば基本的にどこからでもアクセスできます。
    物理的サーバーを設置する必要がないため導入時の時間や費用を大幅にカットできるほか、システムのバージョンアップやメンテナンスなどを提供ベンダーに任せられることも大きなメリットです。

    在庫量などのデータがタイムリーに把握できる

    在庫や発注など販売に関するデータを一元化するために「販売管理システム」を導入する場合は、クラウド型をおすすめします。
    クラウド型は「倉庫だけ」「本社だけ」といった拠点に縛らずにネットワークの構築が可能です。例えば、本社や営業先にいながら商品の在庫量をリアルタイムでチェックすることが可能になるなどが挙げられます。これにより、在庫量をタイムリーに把握する必要のある定量発注方式の大幅な業務効率化が期待できます。

    発注漏れなどの人的ミスを防ぐ

    販売管理システムの導入により、それまで手入力で行っていた転記作業や確認フローを自動化することもできるため、発注漏れや確認ミスといった人的ミスの防止にもつながります。また、システム化されることで業務の属人化、ブラックボックス化の解消も期待できるでしょう。
    クラウド型の販売管理システムである「楽楽販売」なら、ボタンひとつでデータの転記や発注書作成の自動化が可能です。そのほかにも、業種・業態にあわせたワークフローやアラート機能など、発注業務のスピードアップやミスの大幅削減に貢献する機能が多数搭載されています。

    まとめ

    今回は定量発注方式について、メリット・デメリットを含めてご紹介しました。

    定量発注方式はBグループに適した発注方法であり、発注作業の効率化が実現できる手段です。自社の製品分析を行い、発注作業の見直しができる点はないか、定量発注方式が活かせそうな製品はどれかを見極めましょう。

    記事執筆者紹介

    • 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
    • 「楽楽販売」のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!
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