購買管理とは?5つの原則や効率化するポイントを紹介
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
購買管理を一言で表すと、「企業にとって必要な購買活動を適切に管理すること」です。規模を問わず、どの企業でも必ず「購買活動」は発生するものです。購買がきちんと管理されていると、コストの削減や収益のアップが見込めるため、購買管理は重点的に見直しておいて損のない業務です。しかし一方で購買管理のフローや、管理する際のポイントを掴みきれていない企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は、適切な購買管理の手順やポイントをご紹介します。
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この記事の目次
購買管理とは
購買管理を一言で表すと、「企業にとって必要な購買活動を適切に管理すること」です。JIS規格では「生産活動に当たって、外部から適正な品質の資材を必要量だけ、必要な時期までに経済的に調達するための手段の体系。時期までに経済的に調達するための手段の体系。(引用:べんりねっと)」と規定されています。上記にあるように、購買管理は「必要量だけ」「適切量だけ」「適切な品質で」という文言がポイントになってきます。この条件を満たした商品を適切に購買することにより、広い視野でみると企業の収益アップや作業効率の改善にもつながります。
購買管理と調達管理の違い
購買管理と似た用語に挙げられる「調達管理」ですが、厳密に言うと意味が異なります。購買管理が資材の購入に関する業務を管理するのに対し、調達管理は、購買以外のレンタルやリースといった手段も含めて資材を集めることを指します。
購買管理の5原則とは
「購買管理の5原則」とは、購買管理を行うにあたって重要と なる以下5つの内容を指します。
適切な購買管理を行うためには、基本の5原則を押さえておくことが必要不可欠です。ここでは、原則の意味と、細かい解説をします。
1.適正な取引先の選定
1つ目の原則は、「適切な取引先の選定」です。このステップでは購入を検討している取引先の財務条項などの「与信管理」、具体的な調達ルートの確認を行います。
与信管理とは継続的かつ頻繁に取引をしている相手方に信用を付与し、購入品やサービスを受け取った後に代金を受領するフローのことです。取引先の仕入れ状況や調達ルートの確認を行い、慎重に取引先を選定していきます。
2.適正な品質を確保する
続いては、必要な技術力や価格に見合った商品の選定を行います。この時に、取引先が品質管理体制を敷いているかどうかも重要な選定ポイントとなります。
3.適正な数量を決定、確保する
自社が求めている数量はどれくらいなのか、余らせたり足りなくなったりすることはないかを考えながら数量を決定していきます。余ってしまうと在庫の管理に不必要な労力を割いたり、処分が発生したりしてしまうケースがあるので注意しましょう。
4.適正な納期を設定、確保する
納期を設定する際は、「発注リードタイム」と「短納期発注」に着目してください。発注リードタイムとは、発注してから納品までの時間のことです。すでに在庫がある場合はリードタイムを減らすと在庫残数を減らすことができるので、キャッシュフローの改善や余裕スペースの確保にもつながります。
早急に商品やサービスが必要になった場合、柔軟に対応してくれるかどうかも確認しておくとトラブルを未然に防ぐことができます。
5.適正な価格の決定、履行
納品する商品やサービスの値段が適正かどうか、少しでも安く仕入れることができるかどうかを考慮しながら価格を決定します。会社の収益に影響する部分なので慎重に決定していきます。
購買管理の必要性
購買管理や上記の5原則は、意識するだけでは活かしたことにはなりません。それは、購買管理は原則という枠組みであり、必ず守らなければいけないルールや規則ではないからです。
しかし購買管理を徹底することにより、収益アップをはじめさまざまなメリットも存在しています。
内部統制を例にとっても、購買管理の効果が現れます。購買管理が適切に行われると個人の裁量で購買を行うことがなくなります。膨大な量の購入品を企業として管理することになり、業務が可視化されるため、内部統制という結果がついてきます。
購買管理は内部統制を進めるためにも必要不可欠な要素なので、内部統制を目的としている企業にとってははじめの一歩となるでしょう。
購買管理へ徹底的に取り組むメリット
購買管理を徹底することで得られるメリットには次のようなものがあります。
原価低減
購買管理に取り組むことで、より安く良いものを仕入れるルートを確保できます。
仕入れ値を安くして販売金額を据え置けば、粗利確保が実現します。合わせて販売金額を下げれば、新規顧客も獲得しやすくなるはずです。
企業の利益アップの方法は、単純な売上向上だけではありません。原価の低減を実現できれば、目標への近道となる場合があります。
生産効率性の向上
購買管理を徹底することで、仕入れ・資材供給のリードタイムが削減でき、生産効率が向上します。
部門によっては、仕入れが滞ると仕事ができないというケースもあります。生産部門はもちろん、経理や事務といったバックオフィスでも、コピー機のトナーや文房具などの備品切れは業務の生産性を下げてしまいます。
購買管理を徹底しリードタイムの把握・短縮ができれば、このような問題が起こることがなく、生産性効率を下げずに業務を行えます。
不正防止
購買管理を徹底していれば、備品と私物の同時購入や運営資金や経費の私用利用などの不正を未然に防止できます。
運営が傾くほどの金額ではないにしても、社内規則の軽視は慢心を生み、やがて別の大きな問題を生む可能性があります。また一人が行えば、たちまち従業員間で伝染し社内の規律レベルを下げてしまいかねません。
購買管理の徹底により、不正を行う隙を作らせないことで従業員の意識を高く保てます。
購買管理の前に取り組む「内部統制対策」
なぜ購買管理の前に内部統制対策が必要なのでしょうか。
内部統制とは
内部統制とは、企業内で不正や人的ミスが起こらないよう組織的に管理することです。内部統制のシステムは、監視体制づくり、ルールの文書化、業務フローの点検などあらゆる角度から構築していきます。業務が効率的であるか、財務報告に偽りがないか、法令遵守を徹底しているか、資産が保全されているかなどを目的に取り組みます。
内部統制対策
購買管理に関係する内部統制対策には、以下の3つがあります。
購買基準を明確にする
商品の仕様や購買先、選定条件などの購買基準を明確化します。それに基づいて購買計画を立案することで、購買担当者が交代しても安定的な購買を保てます。
購買管理業務をルール化する
購買管理の流れをルールとして定め、それに沿って業務を行うようにします。場合によっては購買管理システムの導入も検討します。例えば、手書き伝票を廃止し電子化することもその一環です。無駄な作業や人的ミスの軽減だけでなく、購買業務の履歴が可視化されるため、不正の防止や早期発見が期待できます。
購買管理規定を作成する
担当者の個人的な利益を目的とした不正な購買を避けるため、購買管理に関する規定を文書として作成し、従業員に周知します。
内部統制構築のポイント
購買管理に関する内部統制を構築するポイントは、以下のとおりです。
発注者と支払担当者を分担する
発注と支払いの業務をどちらも行っていると第三者の目に触れにくくなるため、自身の利益を優先したり、取引先からの便宜になびいたりする恐れがあります。必ず発注と支払の担当者を別にし、不正が生まれにくい環境を整えましょう。
購買担当者の配置換えをする
購買担当者は、できるだけ定期的に配置換えをしてください。長期的に担当し続けると取引先との関係が深くなりすぎて癒着のリスクが高まるからです。
書類の内容を第三者がチェックする
購買管理の担当者とは別に、チェック機関を備えましょう。購買書類に目を通す担当者を配置し、取引先から謝礼を受け取っていないか、妥当性はあるかなどを審査する体制づくりが必要です。
購買管理の業務フロー
購買管理の基本を学んだところで、続いてはおさらいを兼ねて詳しい業務フローをご紹介します。
1.取引先の選定
まずはいくつか候補がある中から、今回取引を行う取引先を選定します。
2.見積もりの依頼
取引先に商品や業務依頼の見積もりをしてもらいます。見積もりの際は、該当商品や業務の質が価格に見合っているかどうかを判断していきます。
3.価格・納期の比較検討
複数の取引先に見積もりを依頼した場合は、価格・質・納期などを比較し、最終的にどこと取引を行うかを決定します。
4.発注作業
数量や価格などの購買内容を決定し、取引先と契約を結びます。
5.納期管理
定めた納期に間に合うかの確認や、入荷が遅れた際などの対応を行います。
6.入荷・検収・検査
納品された商品や業務の内容が間違っていないかどうか、品質に問題がないかの最終確認を行います。
7.出荷又は保管
必要数に応じて、品物を現場へ発送します。
保管しておく場合は、在庫として管理します。
8.支払い
1~7までの流れが完了すると、取引先から請求書が送付されます。請求書と検収された商品の情報に間違いがないことを確認し、記載されている支払日までに支払い処理を行います。
購買管理を効率化するためのポイント
購買管理を効率的に行うためには、4つのポイントがあります。
購買方法の統一化
1つ目は「購買方法の統一化」です。「個人の裁量で購買管理を行っている」「担当者が休んでいる時は購買業務が滞ってしまう」という企業は、まず購買フローを社内で共有するところからスタートしましょう。誰が担当しても同じ品質で、納期に遅れず商品の購入ができるように、マニュアルの作成や情報の共有を日ごろから行うようにすると改善が期待できます。
購買データの一元管理
2つ目のポイントは、「購買データの一元管理」を行うことです。購買の担当者が決まっている場合は、どうしても購買データが個人の手で管理されるケースが多発します。すると前述したようにデータ共有が社内でできず、取引先の選定や値段交渉の際に不必要な労力を要してしまう可能性が出てきます。
さらに1箇所でデータを集約する環境を整えることで、取引先と担当者の癒着や不正の防止もできます。
購買業務の可視化
3つ目は、購買業務のフローを可視化することです。「誰が」「いつ」「どこから」「何を購入しているか」といった流れをリアルタイムに把握できるようになるため、人的ミスや意図的な不正があった場合にすぐ気づけるようになります。
システム化
4つ目のポイントは、システム化することです。購買データの一元管理や可視化には、「楽楽販売」の販売管理システムなど、外部の管理ツールを利用してシステム化する方法が効果的です。企業ごとに業務フローを自由に設定できる上に、引き継ぎもスムーズに行えるので購買管理で悩んでいる企業におすすめです。
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購買業務アウトソーシングとは
複数の部署がそれぞれ購買業務を行っていて、発注の取りまとめや支払いの業務が煩雑で負荷が大きいという場合は、購買業務全般を専門業者にアウトソーシングするのも手段のひとつです。購買データの一元管理や可視化はもちろん、購買業務全体の課題解決策の提案なども期待できます。
まとめ
購買管理を適切に行うためには、データの一元化・購買管理のシステム化が必要不可欠です。
しかし社内でシステム化を一から進めるには、どうしてもコストと人件費がかかってきてしまいます。「社内でデータに詳しい人がいない」「データが膨大すぎてまとめきれない」といった場合には、「楽楽販売」の外部管理ツールをご利用ください。資料請求や相談ももちろんお受けしており、お試しも無料で行えるためじっくりと検討して頂けます。
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- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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