サブスクリプションとは何?
メリットと事例を解説!
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
サブスクリプションサービスとは、月額や年額料金を設定して製品やサービスを販売するシステムです。サブスクリプション運営の鍵は、メリットとデメリットを把握したうえで顧客のニーズを掴むという点にあります。サブスクリプションの意味、また、メリットとデメリット、実際に販売されているサブスクリプションサービスの事例についてご紹介していきます。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
サブスクリプションとは
「サブスク」という言葉で耳にする機会も増えたサブスクリプション事業ですが、その意味には「予約購読」や「年間購読」といったものが含まれます。
一般的には「定額の料金で、自由に製品やサービスを利用できるシステム」という認識が強く、国内でもさまざまな事業がサブスクリプションサービスを提供しています。
サブスクリプションとプロダクト販売の違い
定額料金を支払うことによって自由にサービスの利用が可能なサブスクリプションは、買い切りモデルの「プロダクト販売」と異なります。
金額が固定で1人の顧客に1サービスが提供されるサブスクリプションでは、売り上げは「ユーザーの多さ」によって左右されます。
一方、商品ごとに金額が異なり、1人の顧客が何個も購入可能なプロダクト販売では、「商品の金額と購入された個数」が売り上げの決め手です。
サブスクリプションモデルでは、月ごとや年ごとなど決まった期間に決まった金額が支払われるため、年間を通した売り上げの見通しがしやすいという点も、プロダクト販売との違いとなります。
月額課金や定額課金とも違いがある
月額課金や定額課金のサービスとサブスクリプションは、似ているようで違う存在です。
月額課金や定額課金はサービスや製品に対して、一定の金額を払って購入するスタイルです。サブスクリプションと同じシステムのようですが、サブスクリプションではさらにユーザーのニーズや求めるものに着目し、必要とされている価値の提供を行うビジネスモデルを構築し、利用権を販売するサービスです。
つまり、サブスクリプションは月額課金・定額課金サービスと比べ顧客満足度や顧客との関係性をより重視したモデルであるといえます。
サブスクリプション導入のメリット
サブスクリプションビジネスのメリットについて、事業者の立場から見たポイントをご紹介します。
継続顧客と安定した収益を得られる
サブスクリプションを提供している事業者側のメリットのひとつは、顧客が解約しない限り継続的な売り上げが得られるという点です。そのため、利益の見通しが立てやすいことが大きなメリットです。
無料体験などで新規獲得をしやすい
「定額で使い放題」というシステムは、お得に感じるユーザーがいる一方で「毎月料金を支払う」ことにハードルを感じる人もいるでしょう。
そこで「無料体験キャンペーン」を設けることで、有料会員だけが得られる価値を実際に体験してもらうことができ、多くの新規顧客獲得が期待できます。無料体験で多くのトライアルユーザーの情報を得られれば、すぐに会員登録をしてもらえなくても、定期的に情報を投げかけて新規顧客獲得につなげるでしょう。
顧客満足度を高めやすい
顧客の利用状況を分析すると細かいニーズまで把握できるため、従来の販売スタイルに比べてサービス向上に取り組みやすくなるといえます。ユーザーの視点に立った定期的なサービス改善は、顧客満足度の引き上げにもつながります。
サブスクリプション導入のデメリット
サブスクリプション事業者にとってのデメリットには、どのようなものがあるのか確認しておきましょう。
導入にはコストや知識が必要になる
事業者側のデメリットはサブスクリプションの導入にあたって管理ツールや知識が必要になるという点です。管理ツールや商戦知識が求められるほか、利用者を集めるための戦略を練る必要があります。
常にサービス改善が求められる
「解約の手軽さ」はユーザーからするとメリットですが、事業者側からすればデメリットのひとつでもあります。
欲しい機能がなかったり、使い放題とはいえコンテンツが乏しかったりなどで、ユーザーの期待に応えられないと、すぐに解約してしまうでしょう。また、サービスに対してマンネリを感じさせてしまうことも、顧客離れにつながるおそれがあります。
一度離れたユーザーが再契約する可能性は高くなく、批判的な口コミの元凶にもなりかねません。
そうならないためには既存顧客とのコミュニケーションを重ねて成功体験(カスタマーサクセス)を提供し続け、サービスからの離脱を防ぐことが重要です。
具体的には、新しいコンテンツを随時更新して新鮮味を演出する、利用状況に合わせて新たな活用方法を提案する、問い合わせにスピーディーに応えるなど、ユーザーのニーズや課題解決に寄り添って並走していくイメージです。
結果的にLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)の向上が期待でき、業績に貢献するでしょう。
関連記事はこちら事業者向け!サブスクリプションのメリット・デメリットについて解説!
サブスクリプションはユーザーにとっても使いやすい
近年、サブスクリプションサービスのジャンルが広がりを見せているのは、ユーザーが使いやすさを実感していることの表れです。ユーザーにとってのメリットを3つご紹介します。
コストパフォーマンスが良い
利用する立場としてのメリットは、コストパフォーマンスの高さです。
ユーザーは基本的に「使い放題」というシステムに対し「どれだけ元をとれるのか」という考えを持っています。この時、元をとれるかの比較対象となるのが、プロダクト販売です。ヘビーユーザーにとっては、プロダクト販売で一つひとつの製品を買うより、定額で利用し放題のサービスの方がお得になる場合が多いといえます。
気軽にサービスを試すことができる
普段、興味のないジャンルの作品や買うほどでもないと思っていた製品にも気軽に触れられることは、ユーザーにとって嬉しいメリットです。
家具・家電や自動車などのサブスクリプションの場合は、個人としてモノを所有しないで済むため、メンテナンス管理の手間も発生しないといった手軽さも使いやすいポイントです。
ユーザーはいつでも解約できる
サービスが不要になれば、ユーザーはいつでも解約できます。
かつては、解約を回避するために利用期間中の解約に違約金を徴収する業者や、解約手続きのボタンをWebサイトのわかりにくい場所に配置する業者などが見受けられました。しかし、顧客との信頼関係で成り立つサブスクリプションの事業者は比較的適切な対応をとっている場合が多く、いつでも解約可能な仕組みづくりが成されている傾向にあります。
サブスクリプションビジネスのサービス事例
サブスクリプションビジネスのジャンルは多岐にわたります。「こんなサービス欲しかった!」というような新興ビジネスから、誰もが知る有名メーカーまで、さまざまな事例をご紹介します。
アプリ・ソフトウェア
アプリ・ソフトウェア提供サービスは、今では一般的なサブスクリプション事業です。月額、または年額料金の支払いで常に最新版のソフトを利用できます。
最新版がリリースされるたびに買い換える必要があったこれまでのスタイルと比べ、ユーザーにとって大幅なコストダウンが実現されました。
さらに、ソフトウェアによっては企業のサポートが付属するため、これまでのプロダクト販売とは大きな違いを生んでいます。
例えばクリエイター必須のソフトウェアを取り揃えているAdobeは、製品のプロダクト販売を完全に終了し、「Adobe Creative Cloud」としてサブスクリプションサービスを提供しています。
音楽配信
「Apple Music」や「Amazon Music Prime」など、音楽配信サービスはサブスクリプション事業の代表格ともいえる存在です。近年ではアーティストの最新曲も配信可能となり、音楽配信のサービスは、CDやダウンロード販売よりも身近な存在となっています。
「Spotify」は、無料プランでも期間の制限なくフルバージョンの楽曲を聴くことができ、より気軽にサービスに触れられるようになっています。有料のプレミアム登録は広告なしで最高音質の設定を楽しめるようになるなど、会員としての付加価値を持たせています。
動画配信
「Netflix」や「Hulu」など、話題の映画、ドラマが見られる動画配信サービスも人気です。映画やドラマに限らず、過去に放送したテレビ番組なども視聴できるため、幅広い世代から支持を集めています。オリジナルの映画を作成し配信をするなど、独自のサービスを展開する企業もあります。
無料で多くのユーザーが利用しているYouTubeにも、有料の「YouTube Premium」が存在します。動画の始めや途中に流れる広告がなくなるので、頻繁に視聴する人はその価値を強く感じることができるでしょう。
マンガや書籍、雑誌
マンガ、書籍、雑誌などの出版物の配信サービスも、ユーザー人気の高いサブスクリプション事業です。月に何冊も購入する場合と比べて大幅にコストパフォーマンスが良く、持ち運びに困ることも保管スペースに頭を悩ませることもありません。
例えばAmazonが提供する電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」は、マンガ・実用書・ビジネス書・雑誌など、あらゆるジャンルの出版物が月額980円で楽しめます。また、雑誌系に特化した「dマガジン」やマンガ系の「Abemaマンガ」など、特定のジャンルに強いサービスなどもあります。
ゲーム
一般的なソーシャルゲームは無料で利用できるものもありますが、よりプレイを追求すると追加課金が必要になることがあります。ゲームのサブスクリプションなら基本的に追加課金の必要がなく定額で遊び放題なので、知らず知らずのうちに多額の課金をしてしまう人にぴったりです。
例えばAppleが提供する「Apple Arcade」、任天堂の「Nintendo Switch Online」など、エンターテインメント各社から提供されています。
ファッション
洋服中心の「MECHAKARI」、ブランドバッグの「Laxus」など、ファッションを楽しめるサブスクリプションサービスもあります。流行のデザインや季節もの、ハイブランドのアイテムまでをも気軽に試せるので、ファッションへの興味を追求できるでしょう。
使用中の傷や汚れに対する保険料を含むサービスや、一定期間連続してレンタルすれば自分のものになるサービスもあるなど、継続利用のハードルを下げる工夫が成されていることも特徴です。
家電
掃除機や大型テレビなどの高価な家電製品の購入は慎重になりがちです。ロボット掃除機のような最新家電は使い勝手が気になるため購入のハードルが高いでしょう。また、学生の間の1人暮らしや単身赴任など期間が限定された生活のために、家電を揃えるのも大変です。
そんな時に使えるのが、家電系サブスクリプションサービスです。安価とはいえない家電を月額数百円から試すことができます。
例えばパナソニックの「Panasonic Store Plus」では、美容家電やキッチン家電、リビング家電、ペットカメラなど、幅広い家電製品のサブスクリプションを用意しています。
家具
上記の家電同様、家具もライフスタイルの変化に合わせてチェンジしたくなるアイテムです。「subsclife」は月額500円から家具の利用が可能です。人気ブランドの家具も揃えられるので、インテリアにこだわりたい人は選ぶ楽しさもあるでしょう。
「CLAS」は1人暮らし向けのアイテムも充実していて、長く借りるほど利用料が割引になるというお得感もあります。
どちらも家具だけでなく家電も取り扱っているので、暮らしに必要なアイテムをワンストップで手続きできるというメリットも感じられます。
食材宅配
定額料金で、お弁当や食品のお届けサービスが受けられるものも存在します。企業側で定めたおまかせメニューが届けられるものや、ユーザーがメニューから個数や内容を選ぶものなど、サービスの内容は多岐にわたります。
例えば、親近感のある名前の「おかん」というサービスは、手作りの味のお惣菜が定期的に届く仕組みです。原料にはできる限り食品添加物を使用せず、1食分を食べ切りできるサイズになっていることも、家庭料理のような温かさを感じる内容です。
また、お酒のサブスクリプションサービス「KURAND CLUB」や「THE STELLA」は、重い酒瓶を運ぶ手間がなく、自宅近郊では出会えないお酒を選べるという付加価値を感じられます。
自動車レンタルサービス
若者のマイカー購入離れと比例するように、レンタカー需要の高まりが見られます。それに伴い、自動車レンタルのサブスクリプションサービスが人気です。車を必要な時に利用でき、維持費や税金、保管場所にも悩む必要がなく、さらに人気の車を手軽に楽しめるという点から、幅広い年代の注目を集めています。
トヨタ自動車の「KINT」HONDAの「ホンダマンスリーオーナー」日産自動車の「NISSAN ClickMobi」など、大手自動車メーカー各社もサブスクリプション事業に乗り出しています。
サブスクリプションサービスについてのFAQ
サブスクリプションサービスについて、よくある質問を2つご紹介します。
リカーリングビジネスとの違いは?
混同しがちなビジネスモデルに「リカーリングビジネス」もあります。
リカーリングとは「繰り返される・循環する」の意味を持ち、身近な例としては、電話や電気、ガスといったライフラインの支払いがそれに該当します。
リカーリングビジネスも、買い切りではなく継続的に料金が発生するビジネスモデルです。しかし、リカーリングビジネスは使用量によって金額が変わる点が定額制のサブスクリプションと異なります。
サブスクリプションの市場規模は広がっている?
近年、サブスクリプションの市場規模は拡大していくばかりです。
2015年ごろまで一般的であったダウンロード課金型のサービスは、サブスクリプションの登場によりその座を譲ることとなります。その後、サブスクリプションサービスはアメリカをはじめ世界中にシェアを拡大、日本国内においても2018年には5,600億円以上の市場規模に到達し、2023年には8,600億円を上回るとされています。
まとめ
サブスクリプションサービスは提供する側と利用側のニーズを満たす、双方にとって取り入れやすいシステムです。
顧客の状況把握や何を求めているのかを知ることが、事業成功の鍵となります。顧客管理ソフトや営業支援ツールなどで体制を整えながら、サブスクリプション事業をスムーズにスタートさせましょう。
例えば、クラウド型の業務改善システム「楽楽販売」なら、サブスク特有の複雑な料金形態や請求パターンも自動計算や請求処理ができるので、経理業務への負担が軽減できます。ぜひ、検討してみてください。
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