Excel(エクセル)で予実管理を!
メリット・デメリットとは
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
予算と実績を比較して事業課題を把握する「予実管理」は、企業の目標達成に欠かせないマネジメント手法の一つです。今すぐ取り組むにはエクセルでの作成がスムーズですが、問題点もあります。今回は、エクセルでの予実管理のメリット・デメリットをご紹介します。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
予実管理とは「予算と実績」を管理すること
企業活動の基本は、「予算」の範囲内で事業を行ったうえで「実績」の最大化を図り、成長を目指すことです。そして予算と実績を比較して分析・評価するのが「予実管理」です。予実管理を適切に行えば、次年度の予算設定の精度が上がります。例えば、「予算から設定していた売上目標を大幅に上回った」「予算に余裕がなく必要な戦略を打てなかった」「予算をかけたほど実績を得られなかったのは〇〇に問題がある」などと課題の洗い出し、次年度以降の経営戦略の設計に役立てることができます。
関連記事はこちら予実管理とは?重要性から具体的な手法・ポイントまで解説|「楽楽販売」
予実管理を行うメリット
予実管理をコンスタントに行っていると、予算と実績のギャップを早期に把握できるようになるというメリットがあります。自社の弱点を素早く自覚することで、業績の悪化が大きくなる前に対策を講じられるでしょう。
加えて目標の達成度を見える化できるため、社員のモチベーション向上なども期待できます。
適切な予実管理を行うには
予実管理は、次期の予算設定を行うところから始まります。実績や成長率といった過去のデータから売上や利益の目標を立て、人件費や設備投資などを踏まえた必要な予算を設定します。そして実施期間中は、日次や月次といったサイクルで実績を集計していきます。実績のプロセスをモニタリングして、必要に応じて営業の戦術を変更することができます。期間終了後には目標に対してどれだけの実績を獲得できたかを集計し、予算と実績のギャップとなった要因を検証します。そして、次期以降の事業戦略に反映させます。
関連記事はこちら売上予測って何?売上目標との違いと予測方法をご紹介
関連記事はこちら販売目標(売上目標の)の正しい立て方と重要なポイント
予実管理をサポートするツール
予実管理の作業は「予実管理表」を使って管理します。予実管理を効率的かつ正確に行うには、ツールの使用をおすすめします。ここでは、導入が手軽なエクセルと、機能が充実した販売管理システムの2つをご紹介します。
Excel(エクセル)での予実管理
ビジネスシーンで使用することが多いエクセルであれば、すでに操作に慣れているケースが多いだけでなく、テンプレートを予実管理表のベースとして使用できます。そのためコストをかけずにすぐに取り組みたい場合におすすめです。
関連記事はこちらエクセルで売上管理表を作る方法やコツ、管理のメリット・デメリット
販売管理システムでの予実管理
販売管理システムによる予実管理は、社内全体で一元的に行いたい場合におすすめです。顧客情報や受発注、売上などの事業に関するさまざまなデータもまとめて管理する機能が備わっています。
クラウド型の販売管理システムである「楽楽販売」なら、インターネットを介してシステムを利用するため、外出先や在宅ワーク中の社員もデータ入力を行うことができます。
関連記事はこちら販売管理とは|販売管理を行う目的と業務の流れ、システム選びのポイントまで解説!
関連記事はこちら販売管理システムとは?主な機能や種類、システム選びのポイント
Excel(エクセル)での予実管理のメリット
ここからは、エクセルでの予実管理について掘り下げていきましょう。
導入コストを抑えられる
エクセルのメリットとして、ビジネスユーザーに広く浸透しているので、導入コストや導入スピードにおいても問題なく進められるという点があります。
操作方法についても、エクセルは一般的な業務ですでに利用されていることも多いため、特別な研修のためのコストも必要ありません。
特にエクセルでの予実管理に向いているのは、一つの商材の予実管理表といったようなスケールの小さいものです。
またシステム導入に多大な費用をかけられない小さな企業や個人事業主の方、または事業のスタート時などにも最適な方法といえるでしょう。
柔軟性に優れている
エクセルで管理する場合はその柔軟性もメリットの1つといえます。関数やマクロの設定といったエクセルのノウハウがあれば、自由度の高いシートを作成が可能です。自社の予算や運営体制に合わせた予実管理レポートを作成も実現できるかもしれません。関数やマクロの設定が出来ない場合でも、既存のテンプレートをベースにカスタマイズすれば簡単な管理表がすぐに作成できます。
Excel(エクセル)での予実管理のデメリット
導入がスムーズなエクセルですが、予実管理を行う上でのデメリットにも目を向けておきましょう。
タイムリーにデータ共有しにくい
複数のメンバーが一つのファイルを同時編集しにくいことが、エクセルのデメリットとして大きなポイントです(エクセルでの同時編集は限定的な機能で、Microsoft 365 サブスクリプションを利用している場合などの制限があります)。日次ベースのようにこまめに編集する必要がある場合は、入力したいタイミングが他のメンバーと重なってしまうこともあるでしょう。ほかにも、複数メンバーでファイルを共有し、それぞれがファイルの複製を行ってしまうと、どのファイルが最新情報のものかがわからなくなってしまうケースも考えられます。
データ集計に手間がかかる
エクセルは基本的に手作業でのデータ入力となります。例えば部署ごとにデータ入力のフォーマットが異なっている場合は、一元化のために一つひとつのファイルを読み取りながら入力しなければなりません。最終的な実績としてまとめるまでに手間と時間がかかります。
人的ミスが発生しやすい
エクセルで予実管理をする場合は、関数や数式が設定されたテンプレートをもとに可変したファイルや担当者が一から作り上げたファイルに対して、複数人が入力管理を行うというケースが多いでしょう。関数や数式の設定の方法は何通りもあるので、ちょっとした操作で関数や数式を崩してしまうと、元通りに修復するのが難しい場合もあります。こういった人的ミスが発生しやすいのも、予実管理をエクセルで行うデメリットと言えます。
データが重くなる場合がある
自社に適した仕様を追求するあまり、関数や数式の設定を複雑に組み込みすぎると、データが重くなる場合があります。ほかにも、ファイルの管理期間が長くなり蓄積データやシートが増えると、データが重くなることがあります。データが重くなるとファイルを開く時や保存の処理速度が遅くなったり、エラーが出て強制終了をしなければならなかったりと、トラブルが多くなります。ファイルが突然壊れてしまうといった事態になる可能性も考えられます。
予実管理を行う上で4つのポイント
予実管理は、立案した予算と実績を近づけ、目標通りに遂行することを目的としています。
予実管理を効率的に行うためのポイントを4つ解説します。
数値の確認は定期的に実施する
予算と実績の乖離を早期発見できれば、軌道修正ができます。
そのため、予算と実績はこまめに確認にしておくことでリスクの回避・早期改善につながります。
予実管理はできれば毎週、少なくとも毎月行うことが望ましいです。
「必要な数値」「見るべき情報」が含まれているか確認する
予算と実績のギャップの調整し、目標を達成するためには予実管理表に「必要な数値」「見るべき情報」が含まれているか確認しましょう。
予算と実績のギャップを捉えるために「必要な数値」は何か、そのギャップを埋めるための策を練るために「見るべき情報」は何かを把握したうえで予算管理表に含んでおく必要があります。そしてこれらの情報が含まれていなければ目標を達成することは難しいです。
あらかじめ、「どのようなデータをどのように集めるか」を決めてから予実管理表を作成しましょう。
予算が適切かどうかも確認する
予算は自社に見合った適切な予算を設定することが重要ですが、初めから最適な設定をすることは容易ではありません。
予算と実績が合わない原因には、そもそも予算が適切でないケースや、取引先の状況変化など業種や時期によって、さまざまです。
当初決めた予算にこだわりすぎず、予算を修正することも選択肢に入れましょう。
関連記事はこちら売上目標はなぜ狂う?間違った目標の立て方や正しい売上目標の効果について
定期的に見直しを実施する
予実管理の精度を高めるために、予実管理の方法を定期的に見直します。
下記のようなPDCAサイクルやOODAループで改善策を立てて行きましょう。
PDCAサイクル
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Chek(評価)
- Action(改善)
OODAループ
- Observe(観察)
- Orient(仮説・方向付け)
- Decide(意思決定))
- Act(行動)
システムの導入がおすすめ
エクセルでの予実管理に限界を感じている場合は、システムの導入をおすすめします。
予実管理システムなら予算と実績の比較を自動的に行い、より高度な分析結果を得ることができます。蓄積データが増えても重くなることがないため過去データを遡る際もスムーズです。
「楽楽販売」のような販売に関するデータを一元管理できるクラウドシステムなら、社内の各部署や離れた拠点の情報もリアルタイムに共有できるので、よりスムーズな対応が可能になります。
詳細なデータ分析や全社的な予実管理を必要としているのであれば、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
予実管理は企業の成長戦略に欠かせません。エクセルでの予実管理は導入が手軽な一方、使い勝手には限界があります。スモールスタートの事業や個人事業主の場合はエクセルでの管理で十分ですが、複数の部署が関わる場合や、事業期間が長期化しデータベースが膨大になった場合は、販売管理システムの導入などを検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事はこちら予実管理とは?重要性から具体的な手法・ポイントまで解説
詳しく知りたい方はこちら!
この記事を読んだ方におすすめ!
記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
- 「楽楽販売」のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!