売上予測って何?売上目標との違いと予測方法をご紹介
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
「売上予測」とはどのようなものを指すかご存知でしょうか。簡単にまとめると「売上予測」とは、過去のデータから今後の動向を予測することを指します。売上を正確に予測することで、会社の行く末を導き出すことができるのです。今回は、売上予測と売上目標との違いや、売上の予測方法についてご紹介します。
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この記事の目次
売上予測とは
ここでは、売上予測の定義から売上目標との違いについてご紹介します。売上予測について理解を深めましょう。
売上予測の定義
そもそも売上予測とは、過去の売上データなどの記録から分析を行い、今後の売上を予測することを指します。これを行うことで、半年後、一年後の会社の資金や会社内のお金の使い道を考えることにつながります。
売上目標との違い
売上予測と目標の違いは「理想」か「現実みを帯びているか」といえます。売上目標は、過去のデータを分析し、それに基づいて現実的に達成できる数字を導き出す必要があります。一方で目標は、今後どれくらいの数値を伸ばしたいかと、理想を掲げることです。必ずしもその数値に縛られる必要はありませんが、目安として使われます。
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売上予測をしっかりしないと…
売上予測はあくまで予測だからと軽視してはいけません。正しい予測ができていないとさまざまな問題が生じてしまいます。下記では、売上予測が必要な理由やしっかりとできていない場合に起こりうる問題についてご紹介します。
在庫管理に問題が生じる
売上予測は、在庫管理まで影響を及ぼします。売上予測が、会社の半年後、一年後のお金の使える額を決めることから、それに基づいて事業計画が行われます。販売の計画を立てて、それに合わせて商品の生産量を決めていきます。この時、売上予測をしっかりとしていないと、予想以上の売上による在庫不足や売上減少を招いた際の問題が大きくなってしまいます。
予測した売上が実際の売上よりも低かった場合には、在庫が足りなくなって生産が追いつかなくなったり、原材料が足りなくなったりしてしまいます。また、予測した売上が実際の売上よりも高かった場合には、在庫が余ってしまいます。
資金繰りに問題が生じる
過去の売上データを分析し、それに基づいて今後の資金繰りを考えます。半年、一年後に入るお金を予測し、お金を返済する計画を立てていきます。売上が順調に売上予測よりも伸び、利益も入ってくれば特に問題はありません。ところが、売上が予測したほど伸びなかった場合、お金の流れが少なくなり、資金不足につながる危険性が高まります。正しく売上分析をしておかなければ、会社が危機に陥る可能性も高まるので注意しましょう。
予算管理に問題が生じる
商品・サービスを売るには告知が重要ですが、売上に対する割合が大きすぎると利益が残らず、少なすぎると充分なプロモーション活動ができなくなります。売上予測ができていなければ、どれくらいの費用を広告作成に充てるかなどの予算管理も組み立てることができません。
人員配置に問題が生じる
適切な人員配置と正確な売上予測にも相関関係があります。例えば、現状を上回る売上を出すためには、スタッフの増員についても検討することになります。売上予測をしないままでは人件費も予測できず、適切な人員配置を計画できません。
売上予測の方法
売上を正しく予測するには、正確なデータが必要になります。データを客観的に分析することで、正しい数値を導き出すことができます。くれぐれも期待を込めて数値を都合が良い方向に見積もりもらないようにしましょう。下記では、売上予測の方法についてご紹介します。
必要なデータを揃える
正確な売上データを導き出すには、さまざまなデータから分析する必要があります。
主に下記の8つのデータを揃えておけば、正しい売上を予測することができます。すべて抜かりなく準備しておくようにしましょう。
・潜在顧客が自社のサービスに興味を持つまでの期間
・リードタイム
・コンバージョン率
・契約期間
・更新率
・解約率
・月別の売上
・商品別の売上
これらを元に必要な情報を分析していきます。また過去のデータから分析するだけでなく、市場の動きや季節、イベントなど外的要因によって変化しやすいものまで考慮して考えなければなりません。その際、主観が入った分析を行わないよう、できる限り正確なデータを用いて分析しましょう。また、売上分析を行うにあたっては需要の予測も行いましょう。需要を予測することは、今後のキャッシュフローの予測にもつながります。
売上履歴から算出する
売上履歴から売上予測を立てるには、簡単な計算で算出することができます。その計算式は、「売上予測=一年間の売上利益×年間平均成長率」です。
例えば、去年一年間の売上利益が1,200,000円で、年間平均成長率が20%だとします。これを先ほどの式に当てて考えると、「1,200,000円×0.2=240,000円」となります。
営業パイプラインから予測する
初回のアポイントから受注までのセールス活動における一連の業務フローのことを「営業パイプライン」と言います。
一般的な営業パイプラインは、「アポイントの獲得→初回の商談→提案→見積もり→受注」というプロセスです。過去の営業パイプラインの実績数値を読み解くことで、売上予測を立てやすくなります。
例えば、過去の営業パイプラインの実績データから、見積もり・受注などの各プロセスを通過した確率やかかった期間を収集し、そこに訪問回数や提案回数と掛け合わせていくと、結果的に何件の成約につながるかを割り出すことが可能です。
営業パイプラインから売上予測する方法であれば、月間や年間といった長期的な実績のない新規事業でも、週間や10日間の実績といった短期間のデータから予測を導き出せます。
売上予測に関する悩み
売上予測を立てるには、悩みがつきものです。ここでは売上予測に関する悩みについてご紹介します。
営業活動が忙しい
中小企業の多くは、営業マネージャーが売上予測を立てているのが一般的です。しかし営業部の管理職として組織をまとめるだけでなく、実際に自分自身も営業活動をしている営業マネージャーの場合は、綿密な売上予測の立案まで手が回らないというのが本音ではないでしょうか。
感覚的な予想に頼ってしまう
売上予測の計算方法を知っていても算出された売上予測を信じきれず、期待値を込めた感覚的な予想に頼ってしまうことがあります。これでは精度の高い売上予測とはいえず、結果的に誤った経営判断にもつながりかねません。
必要なデータが集まりにくい
売上予測には正確な実績データの収集が必要です。しかし、そのことを現場のメンバーが理解しておらず、データがきちんと記録されていないというケースもあります。
マネージャー職が売上予測を立てているとしても、日々のデータを記録するのは現場のメンバーであることが多いです。部署内に活動記録を残すルールが明確化されていなかったり、メンバーが記録を怠っていたりすると、売上予測に必要なデータが集まりません。
また、「取引先は○○件くらい」「〇〇回くらいは訪問している」「ざっと〇〇〇万円くらいの売上」といったようなアバウトな数字では、正確な売上予測は立てられません。
さらに、自社の事業規模や人員構成、取り扱い商材などが異なる古い実績データも、データベースとして相応しくありません。
売上予測のためにも実績データを正確に残す必要があることをメンバーに理解させるとともに、マネージャー職もメンバー一人ひとりの活動や実績をタイムリーに把握できるようにするといった取り組み姿勢を持つことが重要です。
売上予測を作るためのツール
精度の高い売上予測のためには、ツールの活用をおすすめします。
SFA
SFAは「Sales Force Automation」の略で、業務の一部を自動化して営業活動を支援してくれるツールのことです。代表的な特徴を3つご紹介します。
情報共有がしやすい
営業スタッフ一人ひとりの営業活動の内容を一元化できます。日報や担当顧客へのアプローチなどを共有できるだけでなく、チームの営業活動の現状をタイムリーに把握できるのも特徴です。
視覚的にデータ管理できる
売上予測のグラフや表は自動で生成されるので、視覚的にデータを管理できます。これらのデータは営業会議や経営層への報告に役立てることもできます。
売上予測の作成が簡単にできる
事業別、ブランド別、商品別、営業スタッフ別など、さまざまな条件ごとに売上予測を抽出できます。手動で計算しなくてもいいので、ミスがなく簡単なのが特徴です。
Excel(エクセル)
売上予測は、表計算ソフトのエクセルでも作成できます。エクセルであれば多くの企業が既に使用しており導入コストが不要なので、今すぐにでも取り組めます。組織的にクラウド版のエクセルを使用している場合、シートの共有もできます。しかし膨大なデータを入力するとデータが重くなり、エクセルの扱いに慣れていない場合には数式を崩してしまうことがあるなどのデメリットもあります。試験的に売上予測に取り組む場合はエクセルでも問題ありませんが、限界があることを知っておきましょう。
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販売管理システム
売上予測の精度を高めるには「販売管理システム」の導入もおすすめです。販売管理システムとは、営業や販売、製造、在庫、経理などの各部署が扱うデータを一元管理できるシステムのことで、売上予測に必要なデータを部署の壁を超えて共有できることが大きなメリットです。
特にクラウド型のシステムなら、事務所や倉庫といったさまざまな活動拠点からでも情報をリアルタイムに更新・閲覧できるようになります。現場のメンバーが速やかに販売管理システムに情報を上げることをルール化しておけば、売上管理に必要なデータの収集をしやすくなるでしょう。
手持ちのデバイスがクラウド上にアクセスできる環境であれば、いつでもどこからでも情報を更新・閲覧できるので、近年浸透しているリモートワークにも対応できるようになります。
例えば、クラウド型の販売管理システム「楽楽販売」は、マウス操作だけで簡単にカスタマイズできるので、自社の業務内容にぴったりのシステムを構築できます。現場のメンバーが使いやすい仕様のシステムなら、日々の活動にも活用しやすく情報更新や閲覧のハードルも下がるでしょう。
さらに、登録データの件数や入力数値は自動計算が可能なので、入力ミスなどを防ぎながら効率的に売上予測の計算ができるようになります。
また、販売管理システムは、精度の高い売上予測を計算する以外にも、販売に関するあらゆる場面で効率化を図ることができます。例えば、ワンクリックで見積書や請求書を発行し、稟議書の承認フローもリモートで実施すれば、「見積書を作成する時間がかかる」「上長が不在で承認が滞る」といった課題の解消につながります。
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まとめ
売上予測は、今後の会社の動向を探る重要な予測です。売上予測をしっかりと予測しておけば、資金繰りや商品生産にそれほど大きな問題をもたらすことはありません。重要なことは、客観的にデータを見つめて予測することです。期待を込めてついつい良い数字を導き出したくなりますが、万が一予測から大きく外れた場合には損害が大きくなってしまいます。客観的に分析し、今後の動向を探ってみてはいかがでしょうか。
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- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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