納品管理とは?
業務内容や注意点について詳しく解説します
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
個人間でも重要ですが、企業間で最も大切なのは、お互いの信頼を失わないことです。企業間同士で信頼関係が確立されていないと取引先との契約が取れず、交渉が決裂してしまうケースも考えられます。そこで今回は企業が信頼を得るために最も重要な業務である「納品管理」についてご紹介します。納品管理の基本的なフローや、効率的な方法などをピックアップしますので、参考にしてみてください。
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この記事の目次
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納品とは
納品とは、売買契約における「物品の納入」や、委託契約などにおける「成果品の納入」などのことを指します。
納品は基本的に「物品の取引時」に使用される言葉ですが、店頭で代金を支払って物品を購入する場合は「納品」とは表現しません。
代金(クレジットカードなどの利用も含めて)と商品をその場で交換する場合ではなく、先に代金を支払っておいて、後から商品が自宅などに届く場合に「納品」と呼びます。
納品の具体的な事例
商品の売買契約時はもちろんですが、形のない物に対しての契約時にも「納品」という言葉が利用されるケースがあります。
ここでは、納品の具体的な事例についていくつかご紹介します。
例1.予約していた商品が届く
Aさんは1ヶ月前に家電量販店にて「発売予定の炊飯器」を予約しており、本日、家電量販店からの郵送で予約商品が納品された。
例2.取引先からの納品
企業において、商品の製造依頼をしていた取引先から「完成した」と連絡があった。その数日後、取引先の従業員がトラックで商品を運搬、納品が完了した。
例3.委託契約での納品
フリーランスのWebデザイナーとして活動中のBさんは、クライアントから企業HPの製作依頼を受ける。HPデザインが完成した後、Bさんはデータをファイルにまとめ、クライアントへメールで納品した。
納品にはタイムラグがある
納品の事例を見てみると、支払いや取引確定から商品の受け取りまでに「タイムラグ」が発生しているという共通点があります。
なぜタイムラグが発生するのかというと、納品とは「予定されていた物が届く」場合に使用される言葉であるからです。
納品される物には有形無形の種類がありますが、納品という言葉はビジネスシーンだけではなく、日常的にもよく使用されていることが分かります。
納品管理とは
納品管理とは、商品やサービスが正しく出荷されるために必要な業務です。大きく分けて2つの業務によって成り立っており、最初に行われるのは「管理業務」です。管理業務では、出荷に関する管理の業務を担当します。
続いて行われる「記録業務」では、ミスなく出荷が行われたかどうか記録を行っていきます。
出荷・納品業務の流れ
出荷・納品業務では納品管理を含めた、商品納品までの作業が行われます。
出荷依頼
まず行われるのは、受注内容をもとにした「出荷指示書」の作成です。出荷指示書は他社へ渡すものではなく、自社内で出荷準備をするときに使用する書類になります。受注内容を受理する人と、実際に出荷準備をする人が異なる場合、「何を」「いくつ」「いつまでに」「どこへ」届けなければいけないのかが分からなくなってしまいます。この際に出荷指示書を用いて情報共有を行います。
出荷指示書の作成
出荷指示書には前述したように、「商品名」「数量」「配送先」「出荷日」を記載します。このとき、出荷指示書と一緒に「納品書」と「受領書」も作るのが一般的です。「納品書」は、商品を取引先に渡した証明書として発行し、取引先へと渡します。企業によってさまざまですが、発送する商品に同封したり、納品時に手渡したりするケースもあります。納品書を受け取る側の場合は、納品書と注文書を確認しながら、納品が注文通りに行われているかを確認します。
受領書の作成
「受領書」は商品の受け取りを証明する書類です。基本的な記載内容は、「発行日、取引先相手名、発行者名」「受領した案件又は商品名」「受領した商品の数・単価・合計金額」です。受領書は納品の際に商品・納品書とともに持参して、取引先にサインをもらって持ち帰ってきます。
どちらも作成するのは、取引先への納期が近づいてきたタイミングです。
出荷準備
次の段階では、出荷依頼書を参考にしながら必要な商品のピッキングを行います。一通りピッキングが終了すると、続いては検品作業です。用意した商品の「商品名」「数量」「不良品の有無」などを最終チェックしていきます。用意した商品は納品書などと一緒に梱包し、トラックへと積み込みます。
出荷・納品
取引先へと納品を行います。この際、取引先にサインをもらった受領書は持ち帰ってきます。
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納品管理で注意すべきポイント
前述した業務が納品管理の基本的なフローです。しかし上記以外にもいくつか押さえておきたいポイントがあります。トラブルを未然に防ぐため、効率的に納品管理を進めるためにチェックしておきましょう。
メンバーの作業量を均一にする
メンバーの作業量が均一でないと、納期を守れない可能性がでてきます。もし誰か1人のメンバーにばかり負担がかかっていれば、納期の管理が難しくなり最終的には取引先の信頼を失ってしまいます。仮に病気やケガなどで1人休職してしまった場合などにも、すぐにカバーできるようにしておかなければなりません。
反対に、現場にはほとんど仕事を割り振られていないメンバーもいるかもしれません。すべてのメンバーへ均一に仕事を割り振ることで、業務効率のアップだけでなく納期の意識共有もできます。
無理のないスケジュールを立てる
多少無理のある作業の依頼を受けた際、いつも通りのスケジュールでは精神的にも肉体的にもキャパオーバーしてしまう可能性があります。「ピッキング量が多い」「人員が足りない日に行わなければいけない納品作業」「納品までの日程がギリギリ」など、こういった場合には2つの改善方法があります。
1つ目は、商品の購買を行う段階で取引先に交渉する方法です。自社の債務管理が行われていれば取引先とは与信管理を経て取引をすることになるので、納期の遅延や商品数の縮小は交渉に応じてくれるケースがあります。取引先との信頼関係を失わない程度に交渉をして、事前に自社での労働時間や負担を減らす働きかけをしていくのもひとつの手です。
ただこの方法は、営業の部署や購買管理を行っている部署との連携が必要不可欠です。またすぐに対応・改善できるわけではないので、長期的な目で見たときに覚えておきたい方法となります。
もうひとつの方法は、出荷依頼~納品までの時間を大目に確保することです。時間に余裕を持って動き出すことで、業務効率を下げることなく取引先の要望に応えることが可能になります。
まとめ
納品管理がうまくできていない企業は取引先の信頼を得られないどころか、お得意様になってくれる企業がいなくなってしまうかもしれません。しかし反対に納品管理がスムーズにできていれば、信頼を得られるということになります。まずは社内の納品管理業務を見直して、業務効率改善と取引先からの信頼をつかみ取ってみてください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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