DX推進の課題とは?
DXを導入できない/効果が得られない原因と解決へのヒント
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
DXへの取り組みを進める日本企業は増えています。しかし、単なるIT化に留まり、導入効果を得られていない企業も多くあります。今回は、なぜそのような状況に陥っているのか、DX推進にまつわる課題について、原因と解決策を探ってみました。ぜひ、参考にしてみてください。
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この記事の目次
日本のDX推進の現状と課題
DX(デジタルトランスフォーメーション/Digital transformation)は、昨今日本企業においても導入が進んでいます。
一般社団法人日本能率協会の2021年の調査によると、すでにDXの取り組みを始めていると答えた企業は約半数にのぼりました。大企業のみに絞ると6割超がすでに取り組みを始めていると回答しています。
ただしDXを始めていると答えた企業のうち、「成果が出ている」「ある程度の成果が出ている」と回答した企業は約6割にとどまり、残りの約4割は成果を得られていないと回答しています。ここ数年で着実にDX化を進める企業は増加していますが、多くの企業が成果を得るまでには課題が残されている状況と言えるでしょう。
参考:『日本企業の経営課題2021』調査結果速報【第3弾】DX(デジタルトランスフォーメーション)の取組状況や課題
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DXが上手くいかない原因となる4つの「不足」とは
ではなぜ、DXの取り組みにおいて上手く成果を得られていないのでしょうか。その主な原因として、4つの「不足」が考えられます。
DX人材の不足
DXで成果を得るには、自社の社内業務や提供する商品・サービスの革新のために、新たなデジタル技術を導入する必要があります。加えて、新たなデジタル技術を阻害しないよう、古い既存システムの見直しも求められるでしょう。
デジタル技術を活用した業務改善を推進するには、ITスキルを持つ人材が必要となります。たとえシステムに関する業務を外部委託するとしても、社内事情を踏まえてDXを戦略的に推進する人材がいないとDX化は上手くいかない可能性が高いです。
DXへの理解不足
DXはITツールを導入して業務の効率化や生産性向上をはかるだけが目的ではありません。真の目的は、「新たな価値の創造」です。したがって「システムを導入したからDX化できている」と、DXの概念を誤解していることも成果につながらない理由と考えられます。
特に、経営層が「DXによってどのような価値提供を行うのか」というビジョンや戦略を持たず、ただただ業務のデジタル化を現場に指示するだけになっている企業が多いようです。
IT投資の不足
3つ目の理由として、DXに必要なIT技術への投資が十分でないことが挙げられます。
経済産業省によると、企業におけるIT関連費用の約8割が既存システムの維持管理に費やされていると報告されています。このような状況に陥っている原因として、これまで場当たり的にシステム改修を繰り返してきたことや、システム担当者の変更により既存システムがブラックボックス化していることなどが挙げられます。
このように複雑化して維持管理に手間と費用がかかるようになってしまった既存システムを「レガシーシステム」と呼びます。
現行の事業を維持するために既存システムに依存してしまっていて、DXに必要な新たなITシステムやIT人材への投資に十分な予算を回せていないことも、DXで成果を得られない要因の1つです。
関連部署への連携不足
DXにおける取り組みでは関連部署との連携が欠かせませんが、この連携が十分にできていないという点が上手くいかない4つ目の理由として挙げられます。
DX推進には「これまでの業務プロセスの大幅な改革」といった側面があるため、現場の関連部署からの抵抗が生じるケースがあります。加えて、IT部門のみが先行してDXに取り組んでいるだけでは、実際の業務を行う事業部門の自覚や危機感が伴わない場合もあります。
本質的なDXに取り組むには、IT部門だけでなくリソースを扱う経営層、実際の導入現場となる各事業部門が連携し、共に計画を立案・推進する必要があります。
さらに、各事業部門にDX推進リーダーを据えて、デジタル技術によるビジネス改革の旗振り役として現場への浸透をはかる必要もあるでしょう。
DXの導入により成果を上げるには
DXに取り組むことで成果を得ていくには、下記の4つに注力しましょう。
DX人材の登用と育成
社会全体のDX化が進んでいることで、DXを司るIT人材の需要も急増しています。今後さらに需要が増え続けることで、IT人材不足の深刻化が予測できるでしょう。一刻も早くDX人材の確保と育成に乗り出すことが得策といえます。
DXを推進していくにあたって必要なスキルは、「デジタル技術を理解した上でDX戦略を構想できる」「既存システムを見直せる」「新たなシステムを運用管理できる」「新たなシステムを使いこなせる」などさまざまです。優秀なDX人材の登用と、各職種・役職においてデジタル技術の習得やリテラシーの醸成といった育成に取り組む必要があるでしょう。
DXにより目指すビジョンを明確化
DXの真の目的である「新たな価値の創造」を達成するためには、ビジョンや経営戦略を明確化することが重要です。
まず、経営層がDXは単なるデジタル化ではないことを理解し、新たな価値創造に向けた構想を描く必要があります。そして、そのビジョンや経営戦略を現場まで浸透させるためにも、経営層からの積極的なコミットメントを続け、社内で共有することが重要です。
情報資産の仕分けによるシステム刷新
ITに関する費用の大半を費やしているレガシーシステムを刷新し、新たにシステムを導入するには、自社が持つ「情報資産」を分析・評価する必要があります。情報資産を仕分けることによって、DX化ができるものと不要なもの、見直しが必要なものなどが明確になります。
DX化できる情報資産に対して優先的に、適切なシステム導入を行えば、限られた予算で戦略的にシステムの刷新をはかることができるでしょう。
「楽楽販売」は営業・販売・購買・バックオフィスなどのあらゆる業務を一元管理できるクラウド型のシステムです。情報資産の仕分けによって早急なシステム化が必要と判断された業務に絞ったスモールスタートも可能なため、DX化の足がかりとしてもおすすめです。
コンパクトな規模から進める
DXをはじめるなら、進捗や成果が把握しやすい少数単位から取り組むことが達成への近道となります。
全社でDXを進めるとなると、現場への周知やレクチャーに時間と手間がかかります。加えて、従業員も「忙しい業務の中で無理やり改革を求められている」といったように否定的に受け取ってしまいやすくなり、導入が進まないケースも起こり得るでしょう。
さらに、DXに関連するシステムやツールの導入にはコストと手間がかかります。そのため、実用性がわからないまま全社単位で使いはじめる場合、リスクが大きくなることを認識しておかなければなりません。
DX導入のはじめの一歩としては、一つの部署やチーム、プロジェクトといったコンパクトな規模で試験的に取り組むことをおすすめします。トライ&エラーを重ねて実用性を確認しその成果を元に社内への普及を進めれば、現場の従業員としても納得感が生まれ、スムーズに浸透するでしょう。
まとめ
デジタル技術により社内を改革し、人々の暮らしをさらに豊かで快適なものにするDXは、企業がこれからの時代を生き残るために欠かせない戦略です。
今後も日本企業のDX導入は加速していく見込みですが、単にITシステムを導入するだけでは成果が得られません。そのような状況に陥ってしまう企業の多くが「DX人材不足」「DXへの理解不足」「IT投資の不足」「関連部署への連携不足」という4つの不足を抱えていると考えられます。まずはこの4つの不足を解消することから始めると、DXによる新たな価値創造を軌道に乗せることができるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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