ダブルビン方式とは?
メリットと他の方法との使い分けを解説
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
ダブルビン方式とは、定期発注方式や定量発注方式をはじめとした6つの発注方式のうちのひとつです。ツービン法、2棚方式、複棚法など呼称はさまざまですが、基本は「使用分」と「ストック分」の2つに分けて在庫を管理します。
今回はダブルビン方式の詳しい内容や適している製品、メリット・デメリットについてご紹介します。
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この記事の目次
ダブルビン方式(複棚法)とは
ダブルビン方式とは、補充手配や簡易在庫管理手法に相当する発注方式です。
ツービン法、2棚方式、複棚法などと呼ばれる場合もありますが基本は同じ方法で、概念としては2つのビンを用いて発注タイミングをはかります。
例えば、こまかい生産部品などをAとBの2つのビンに入れて在庫を持つとします。
Aのビンが空になったところで発注をかけ、続いてBのビンの在庫を使用します。Bのビンを使用中にAのビンの在庫が補充され、再びBのビンが空になったところで発注、Aのビンを使用……と繰り返していくのが、ダブルビン方式です。
実際にはビンでなく棚や箱などを利用して在庫管理を行いますが、使用分とは別にストックを持ち片方がなくなれば発注をかける方法であれば、ストック方法にこだわらずともダブルビン方式に相当します。
ダブルビン方式が適しているものとは
ダブルビン方式で適しているものは、1.売り上げの貢献度は高くないもの(単価の安いもの)、2.欠品してはこまるもの、3.需要が安定しているもの、の3つすべてに該当するものです。
商品であれば小物や日用品、部品であればビスなど、ひとつずつの在庫管理が難しいものがあたります。
製品の重要度をはかる際に用いる「ABC分析」でいえば、B以下のC寄りの製品、もしくはCの製品に適用されることが多い方式です。
ダブルビン方式のメリット
ダブルビン方式は、発注・在庫管理の手間が省けるのが大きなメリットです。
「在庫数量確認」は、思いの外現場の手間をとらせるものです。こまかいものをひとつずつ数えるのに時間がかかるのはもちろん、例えばペンのインクや電池など残量が目視できないものの在庫数確認は困難です。
在庫数量をひとつずつカウントせずとも「ストックがなくなれば発注をかける」というダブルビン方式のスタンスを繰り返せば、在庫切れに至ることはほぼありません。
さらに「片方がカラになった時点で同じだけ発注をする」ということにより、発注の手間も省けます。これらの製品の発注・在庫管理の手間が少なくなれば、現場ではその分だけ他の製品の管理に注力できるでしょう。
ダブルビン方式のメリット
一方で、ダブルビン方式にはデメリットもあります。
まず、余剰在庫になる可能性があるという点です。常に同じ注文ロットで発注を繰り返すため、需要が減った際に在庫を消化しきれない場合も考えられます。
さらにBグループやCグループに属する製品であったとしても、とくに消費期限や使用期限などに制限があるものは、「注文ロットや発注点の設定」には慎重な判断が必要になります。
加えて急な需要増加があり、納入リードタイム内にストックを使い切ってしまう可能性もあります。「ダブルビン方式は需要が安定している製品に用いる」というルールは、この点が要因となって浸透したといえるでしょう。
さらに「ストック」と「使用するもの」の外見に差がない場合、人によっては「どちらを使えば良いのか」の判断に迷う可能性もあります。
その結果、使用側とストック側のどちらも在庫が減っていくという事態も起こり得ます。テープやメモ書きなど、目に見える印をあらかじめつけておくのが良いでしょう。
ダブルビン方式を活用する事例について
ダブルビン方式は企業の在庫・発注管理だけでなく、日常生活においても活用シーンの多い方式です。例えば、2連型のトイレットペーパーがそれに該当します。
「使用する側がなくなればストック側を押し出し、ストック側に再び新しいロールを補充する」という流れは、まぎれもないダブルビン方式です。さらに洗剤やお米など、なくなるとこまるものをストックする際にも活用することができます。
企業においてはABC分析のB、Cグループに活用する場合が多く、とくに前述した3条件(1.売り上げの貢献度は高くないもの、2.欠品してはこまるもの、3.需要が安定しているもの)に該当する場合はダブルビン方式を用いるのがおすすめです。
一見するとかなり限られた商品のみに当てはまりそうですが、洗い出してみると多くの製品がダブルビン方式の活用に適していることがわかるはずです。発注・在庫管理の手間が削減できることに気づけるでしょう。
まとめ
今回は、ダブルビン方式の方法やメリット・デメリットについてご紹介しました。
ダブルビン方式は、発注・在庫管理の手間を省きたいものに適しています。まずはABC分析を行い、どの製品がB、Cに該当するのか検証してください。その中でもダブルビン方式に適したものをピックアップし、発注・在庫管理の両方の効率化を実現させましょう。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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