工数管理を徹底解説!必要性やできること、効率化ツールなどを紹介
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
工数管理は企業の業務効率化・生産性向上に欠かせない業務です。しかし、工数管理そのものが非効率になっているとその効果も半減するでしょう。
工数管理の必要性や適切な工数管理の手順、そして工数管理を最適化するためのツールについてご紹介します。
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この記事の目次
工数管理とは
そもそも「工数」とは、あるプロジェクトを完遂するための業務の総量のことです。
工数は、プロジェクトに関わる「人」と「時間」から算出します。そして、工数管理は、プロジェクトにかかる人と時間をタイムリーに見える化して管理していくことを指します。
工数管理により、プロジェクトに必要な人数や日数の算出や現状把握、生産効率を上げるための最適化などをスムーズに遂行することができます。主に製造やシステム開発などの業界で重視されてきたマネジメント手法ですが、生産性の向上を重視する現在は、あらゆる業界で工数管理を取り入れるようになっています。
工数管理はなぜ必要なのか
工数管理がなぜ必要とされているのか、主な3つの理由を見ていきましょう。
プロジェクトの生産性を高めるため
プロジェクトに関わる各自が場当たり的に業務を行っていると、日程の滞りや無駄な作業などを客観的に確認することができません。
近年では、従業員の働き方改革や企業の競争力強化の視点から、生産性の向上が多くの企業にとって可及的速やかに解決すべき課題のひとつとして挙げられます。そこで解決策のひとつとして、工数管理によってプロジェクトの現状を把握し、改善策を見出すことが求められます。
関係者のコミュニケーションを活性化するため
企業のプロジェクトは一人だけで進められるものではありません。部署内のメンバーや他部署、時には取引先の方々とも連携し、いくつものタスクを同時進行で進める必要があります。そのため、プロジェクトに関わるメンバー同士がタイムリーかつスムーズな情報共有を図ることが大切です。
工数管理は、プロジェクトに関わるメンバーのコミュニケーションの効率化にも活用できます。
プロジェクトごとの収支確認のため
工数管理は、プロジェクトにかかる収支を確認するという目的もあります。
企業活動の継続には利益確保が肝要です。企業はいくつものプロジェクトによって成り立つため、一つひとつのプロジェクトの収益性をこまめに確認することが、企業の利益確保につながります。
適切な工数管理で得られるメリット
工数管理を適切に行うと、コスト把握、進捗把握、業務改善の3点でメリットが期待できます。
プロジェクトコストが把握できる
工数管理により工数を計算することで、プロジェクト全体にかかるコストを割り出すことができます。
事前にプロジェクトコストを把握しておけば、業務遂行の途中で予算がなくなったり、自社に利益のない見積もりをクライアントに出してしまったりといったリスクを回避できます。
作業の進捗が把握できる
工数管理を徹底していれば、プロジェクトを構成する一つひとつの作業の進捗状況を把握する際もスムーズです。現在の作業を何人で何時間かけてこなしているかが分かるため、スケジュールとの相違や人数の不足などを早期に発見・調整することができます。
その結果、プロジェクトの成功確度が高まります。
PDCAを回し業務改善できる
上記に挙げたように、工数管理のメリットはプロジェクトにかかるコストや進み具合が明確に記録できることです。そのため、次のプロジェクトでより成果を得るためにもPDCAサイクルに基づく工数管理が役立ちます。
プロジェクト終了時に「Check/評価」として振り返り、「Action/改善」のポイントを抽出します。そして次回のプロジェクト工数の「Plan/計画」を行い、「Do/実行」するという流れです。工数管理のPDCAサイクルを繰り返し行うことで、継続的に業務改善を促すことができます。
工数管理の手順
では、PDCAサイクルに則った工数管理の手順を見ていきましょう。
Plan:工程表を準備する
工数管理は、「Plan/計画」として工程表を準備するところからはじめます。
まず、工数管理の責任者を決定しましょう。プロジェクトの進捗を一元化する工数管理には、さまざまなヒト・モノ・コトが関わることから、指揮を執るマネジメント役が必要だからです。
次に、プロジェクト完遂のために必要となるタスクを洗い出します。過去のプロジェクトを参考にして、できるだけ漏れなく書き出してください。
そして、各タスクにどれだけの時間と人が必要になるかを計算します。各タスクの難易度や各人のスキルの兼ね合いで幅が生まれるので、できるだけ現実的で無理のない設定を心がけましょう。
Do:工程表に基づき実践する
全てのタスクにかかるヒト・モノ・コトをまとめた工程表に基づいて、「Do/実行」に移ります。
工数管理の実践にあたって、エクセルや工数管理ツールなどを活用し、工程表に進捗を記録します。タスクを担当するメンバーが自主的に記入する、または、工数管理の責任者がまとめて記入するなど、プロジェクトの規模やスタイルによってルールを決めておきましょう。
プロジェクトの進捗を正確に把握するためにも、タイムリーな入力や記録内容の正確性なども責任者がチェックすることが大切です。
日々の記録がずさんになると、次のステップである「Check/評価」「Action/改善」を行う意味が薄れてしまいます。
Check:集計・分析する
プロジェクトを達成した後は、工数管理の実践に基づくデータが蓄積されています。このリアルなデータをもとに「Check/評価」として振り返ることで、次回以降の改善策を見出すことができます。
データの分析は、タスク、チーム、個人など、あらゆる視点から行いましょう。それにより、どの段階でムリ・ムダ・ムラが起きているかや、タスクごとの利益率の良し悪しなどが明らかになります。
データの集計・分析に手間を惜しまないことで、自社が優先的に取り組む課題の客観的な把握につながります。「とりあえずできることから改善する」という場当たり的な方法よりも、改善の効果を得やすくなるでしょう。
Action:改善点を反映する
「Action/改善」は、次に始まるプロジェクトを指します。前のプロジェクトの工数管理を分析することで、これから取り組む工数管理の精度を上げていくというサイクルです。
「Check/評価」の段階で明らかになった課題に対して、チーム編成やメンバーの担当配置の変更、新たなツールの導入などが考えられます。さらに、無駄な業務を切り捨て、より生産性の高い業務にリソースを充てることも有効です。
工数管理のPDCAサイクルは、プロジェクトに関わるメンバーと共有することも大切です。管理者の主観ではなく、実際のデータに基づく指揮であると理解できれば、メンバーが自主的に改善に取り組むことができるためです。
工数管理を最適化するツール
工数管理を最適化するには、ヒト・モノ・コトの情報をタイムリーに管理できるツールが役立ちます。ここでは、工数管理によく使用されるツールについて解説していきます。
WBS
WBSとは、Work Breakdown Structureの頭文字を取った略称です。具体的には、プロジェクトを構成するタスクを全て洗い出し、担当者やスケジュール、工数を一覧表にしたものをいいます。
タスクをさらに細かい作業に分解(Breakdown)するため、メンバーはやるべき作業に集中でき、管理者は進捗を追跡しやすくなることが特徴です。細かい作業が見える化されると本当に必要な作業なのかを判断しやすくなるため、優先的に取り組むことや無駄な作業の廃止といった見直しに役立てることもできます。
WBSを工数管理に活用する際の注意点としては、プロジェクトのタスクにおいて「何をするか」を把握するものであり、「どのように行うか」を周知することを目的としていません。
滞りなくタスクを進めるには、別途マニュアルが必要になる場合があります。
ガントチャート
ガントチャートは、スケジュール表とタスク一覧を掛け合わせた工数管理表です。縦軸にタスク、横軸にスケジュールを配置し、タスクを実施する日程を横に伸びる棒グラフのように表現します。 ガントチャートを利用することでタスクの予定や進捗が一目で分かるので、スケジュールの遅れに対応しやすくなります。また、タスクごとの担当者も見える化するため、メンバーごとの作業負荷なども客観視できます。
各タスクのスケジュールは、別々に進められるものや同時進行すべきもの、「Aの結果をもとにBを行う」といったように順序が重視されるものなどさまざまです。タスク同士の依存関係を鑑みながらスケジュール管理を行えるので、プロジェクト全体の効率化に役立ちます。
ただし、ガントチャートに記入するタスクの数が増えすぎると全貌を把握しづらくなります。その場合は別途タスクごとのガントチャートを用意する方が良い場合もあります。
販売管理システム
販売管理システムとは、取引案件の受注から納品までのプロセスを案件や顧客ごとに管理するためのシステムです。販売に関するデータを一元管理するので、工程表の作成や進捗を確認できるだけではなく、社内情報を共有したり、データ入力の二度手間をなくしたりなど、大幅な業務効率化も実現します。
販売管理システムにはさまざまな種類が存在しますが、「楽楽販売」は、自社の業務に合わせて難しいプログラミングなしでカスタマイズできることが特徴です。業界の商習慣に合ったシステムも作成可能なので実用的です。
クラウド型のためオフィスの外でもアクセスでき、リモートワーク中の従業員の工数管理にも役立てることができます。
まとめ
工数管理は滞りなくプロジェクトを推進するためだけでなく、人や時間といった限られたリソースの活用を最適化するために欠かせません。メンバーとのコミュニケーションを重ねながらPDCAサイクルに則って工数管理を行うと、次回のプロジェクトでより高い成果を目指すことも可能です。
工数管理を最適化するツールにはそれぞれ特徴や注意すべきポイントがあるので、自社に合ったツールを見極めるようにしましょう。ぜひ、適切な工数管理に取り組み、生産性向上を目指してください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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